「勝負はこの二つの呼吸で決まる」という二つの呼吸は、クムバク(止める息)と吐く息のことです。「ムッ(ンッ)!」と止めた息を、そのまま「ム-ッ…」と吐くことによって、呼吸の流れを上手く作ることが諸芸諸道を体得するコツとなります。
連載
其の百三十 優秀な役者や、相撲取りが身に付けている呼吸…
第三の呼吸である止息、それをヨガではクムバクと言います。クムバクには、意識を集中させたり、内在する力を引き出したりする働きがあります。具体的には、演劇や角力(すもう・相撲)の際に必要となる呼吸だそうです。
其の百二十九 吸う息と吐く息、それ以外にもう一つ大事な息がある…?!
お馴染みのラジオ体操などで行う「深呼吸」は、息を吸ったり吐いたりします。「呼吸」という熟語も、呼気と吸気、すなわち吐く息と吸う息で成り立っています。
其の百二十八 欠伸(あくび)は、神経をシャキッとさせる上で、とても有効な呼吸!
学生時代に西洋医学の科目である生理学を学んだとき、呼吸の項目に「変態呼吸」というのがあって、笑いや欠伸(あくび)がその例に挙げられていました。笑いは祓いの効果もあって健康に良いのですが、西洋医学では単なる変態呼吸に入っているということに驚きました。「それだけなの?」と、ガッカリしたのです。
其の百二十七 長息、つまり長い息は、そのまま長生きに通じる…
長息、つまり長い息は、そのまま長生きに通じます。特に、吐く息を長くすることが大切です。祝詞奏上や読経、あるいは歌を歌うことは、いずれも吐く息が長くなって長生きの元になります。
其の百二十五 思考の限界を超え、飛躍的な行動を起こしていこう!
宇宙には、我々を生かす力があり、ヨガではそれをプラナといいます。漢字では「氣」、大和言葉では「み」、「ひ」、「みいつ(御稜威)」、「なほひ(直霊)」などが、プラナに相当する言葉であると考えます。
其の百二十四 プラナを補給すると、神経の疲労が回復する…
宇宙に存在する根源的で超微粒子的なエネルギーを、最先端の量子科学では「量子」と呼んでおり、漢字では「氣」、大和言葉では「ひ」、「み」、「みいつ」、「なほひ」などに置き換えられるだろうと述べました。そして、ヨガでは「プラナ」であると。
其の百二十三 プラナによって、一切が成立している…
目に見える物だけが存在(実在)であり、それ以外は虚空(空間)。普通は、そう考えられています。
しかし、一般的に東洋思想では、目に見える物と見えない物を明確に分けない傾向があります。ヨガでは全ての源泉をプラナと呼び、プラナがあらゆる所に遍満(へんまん)していることによって、一切が成立していると教えています。
其の百二十一 命の強い働きが「いき」、そして長息は長生きのもと…
呼吸のことを大和言葉で息(いき)と言います。「いき」の「い」は生き生き、行く、命(いのち)の「い」で前に出て行く積極性を、「き」はきつい、厳しいの「き」で強い様子を表しています。即ち「いき」は命の強さ、命の強い働きを意味しているのです。沖正弘導師は、次のように息の重要性を述べました。