戦闘に勝った、敵城を奪ったと喜んでいるだけではダメです。勝利後の占領政策がきちんと行われませんと、抵抗運動が激しく起こるなどして統治の負担が多くなり、却って国家の「凶事」ともなります。敵の人民が占領軍の方針に従わず、ゲリラ戦などで激しく抵抗して来るですから、勝利までの軍費が無駄となり、その後の費用も嵩(かさ)みます。結局、掛けた軍費が無駄になり、その様子を孫子は「費留」と呼びました。
連載
その159 指導者には辱めに対するしぶとい忍耐力と、冷静な判断力が欲しい
多くの人々が無慈悲に殺され、生き残った者も火傷の後遺症で苦しめられ、あらゆる物が焼き尽くされる火攻めほど、悲惨な被害をもたらす攻撃はありません。
その158 火が風上に発生したときは、風下から攻めてはならない…
続いて、火攻めの注意事項が説明されます。
《孫子・火攻篇その二》
「火攻めというものは、必ず五通りの火の変化に従って対応すべき
その157 一見派手な火攻めにも、辛抱強さが求められた…
火攻めには、下記の五種類があります。但し、これら五つは火攻め
その156 悲惨な火攻めについて、孫子は何を語っていたか…
戦争には、甚大な被害をもたらす火攻めが付きものです。大東亜戦
その155 孫子の兵法~始めは処女の如く、後は脱兎の如く…
「始めは処女の如く、後(のち)は脱兎の如く…」という、よく使
その154 諸侯をとりまとめて天下の秩序を維持する「覇王の軍隊」となれ!
九地篇その六について、言葉を補いつつ、さらに分かり易く訳して
その153 死地に陥ってこそ、生きのびる力が湧き出てくる!
孫子が活躍した春秋時代、有力諸侯が次々現れて覇を競い、同盟(
その152 兵士の心情を理解した将軍のみが、勝利をもたらして国家と国民を守る!
では、補足を踏まえて、九地の復習をしましょう。
まず、諸侯がそれぞれ自国の地で戦う場合を意味する散地です。散
その151 深く入れば戦いに専心出来るが、浅いままだと逃げ散ってしまう
戦い方は土地の性格に応じて練るべきであり、それを九つに分けて
《孫子・九地篇その六》
「敵国に攻め入ったときの道理として、深く入れば戦いに専(もっ