其の三 大きな使命を持った活動ほど、上り坂がきつくなり、向かい風も激しくなる

企業の経営であれ、団体の運営であれ、付きまとう悩みに「お金の問題」と「人の問題」があります。いわゆる資金繰りと人手の確保です。これらの問題に意識を取られ、日々目の前の実務に追われます。特に「人の問題」は、何らかの組織運営を担っている者にとって尽きることの無い悩みの種でしょう。

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其の二 目に見えない働きや作用を、大和言葉でカミと言う

神(かみ)とはなんでしょうか。大和言葉のカミには、目に見えない奥深い働きや作用という意味があります。

カミのカ音は隠れる・影・陰・霞む・風・空(から)などのカで、ハッキリしないが奥深い働きのある様子を、ミ音は実・身・水(みづ)・満ちるなどのミで、本源や本質を表しています。

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其の一 原点には種としての根源力があり、そこから芽が出て成長していく!

「21世紀は、人類にとって大変厳しい時代となる。しかし、それを救うカギが東洋にある。おまえは東洋を学べ」。

この啓示を受けたのは、今(令和5年・2023年)を去る49年前、高校2年生の17歳のときであった。以来、武道、東洋医学、沖ヨガ、国学(大和言葉)、文明法則史学(東洋の時代到来を予測する文明周期論)、武士道、中国思想、日本仏教(開祖の生き方)などを学んできた。

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其の百十七 兼好法師の繊細な感性と豊かな表現力は、一体どこからきたのか?

『徒然草』には、兼好法師と関わりのあった女人との思い出話や、恋愛観についての見解が書かれています。それらを読めば、兼好法師はチョイ悪オヤヂであるという見方が出てくるのも当然でしょう。しかし、『徒然草』各段のテーマは多岐に亘っており、達人の在り方や武芸者の心得、勝負に勝つコツなど、硬派な内容も沢山載っています。

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其の百十六 広く学び、自分の身体を潜らせ、実践や体験を踏まえる…

心に主を宿す。それは、自分が自分の主人公になるということです。そのためには、広く学ぶということ、自分の身体を潜(くぐ)らせながら学ぶということ、実践や体験を踏まえつつ学ぶといったことが必要になります。

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其の百十五 心の中に、主体となる魂(たましひ)を宿そう!

鏡は、何でもありのままに映すので、嘘偽りの無いマコトの象徴とされてきました。ところが、兼好法師は鏡というものを、己自身(主体性)を持っていないがために、いろいろなものに入り込まれてしまうことの例えに挙げました。

本来、そのままの姿を映す鏡のように、囚われや拘(こだわ)りの無い心でいてこそ、感性が素直に働き、外界からの情報を正しく受け止めることが出来るはずです。

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其の百十四 人が住まなくなった家には、いろいろなものが入って来る…

家というものは、誰も住まなくなると傷み易くなります。雑草が生い茂り、屋根や壁が傷み出せば、暗い雰囲気が漂ってきます。

閉店になった建物なども、灯りが消えて人の気配も無く、見た瞬間冷たい感じがして、ゾクッとさせられる場合があります。賑やかだった頃の明るい雰囲気はどこにも無く、そこにはもう氣(エネルギー)が起こされていません。

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其の百十三 刺々しさが次第に薄れ、奥深くから氣(オーラ)が滲み出てくる!

あまり便利すぎると、却って「人の力」が鈍ることがあります。ナビに頼るほど勘が鈍り、消費期限の日付だけ信じるようになれば嗅覚が鈍ってしまいます。
昔の人は、食べても大丈夫かどうかを匂いで自己判断していたものです。

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其の百十二 体裁をいちいち気にしない質朴さがいい

平宣時(のぶとき)は、鎌倉幕府初代執権・北条時政の曾孫にあたります。宣時は幕府の執事として、五代執権の北条時頼に仕えました。だから時頼と宣時は、上司と部下の関係にあります。

その宣時が、「老いてから昔語りを」しました。それによれば、夜のまだ更けない頃に時頼の使いがやって来て、「今から、こっちへ来ないか」と誘われたとのこと。

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其の百十一 おいっ、今から出て来ないか…

「おいっ、今から出て来ないか…」。上司からそのように誘われて、とにかく普段着のまま出掛けて一緒に酒を飲む。そんな突然の招集に参上するのも、部下の責務であると同時に一つの楽しみであった。

少なくとも昭和はそういう時代だったし、平成を生きた者にも、その雰囲気は分かると思う。それがなんと、鎌倉時代にもあったというから面白い。

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