「内部の貧困思想」の中に、たとえば家族から十分な愛情を受けられなかったこと、過去の苦労や失敗といった辛い体験、間違った教育によって自己否定観や自虐史観などを受け入れてしまったことなどが考えられます。
密教ヨガに学ぶ神人合一の人生
其の百六 成功している姿を鮮明に描き、既に成就しているように振る舞え!
成功するためには、成功している姿を鮮明に描け。それは、大方(おおかた)の成功哲学が説く教えです。同じ事を沖正弘導師も述べていました。
「一つの希望を達成するためにはまず、その目的をはっきりと決定し、それを映像化して注意をこれに集中することが必要である。次ぎにこれを強く思いつづける。そして目的とすることが既に成就した場合を心に描いて、そのように振舞うことが必要である。外部の貧に打ち克つためには先ず内部の貧思貧想を一掃することが必要である。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房91頁)
其の百五 世のため・人のためという、利他公益的な希望や夢を描こう!
希望や夢を持つことは大事ですが、希望や夢にもレベルがあります。自己中心的なレベルから、利他公益的なレベルまであり、どのレベルであれ強く願い、知恵を使って工夫し、諦めず続けていけば一定の成果は出ます。
其の百四 感動して熱くなっても、たちまち冷めて終わるようでは…
何事も、強く願い、鮮明にイメージするところから成功が導かれます。成し遂げようとする事に対して、イメージを鮮明に描くこと。そして、希望を持ち、目的からブレないこと。そこに、成功するか、不成功で終わるかの分かれ目があります。沖正弘導師は、次のように述べました。
其の百三 強く願い、鮮明にイメージするところから成功が導かれる…
思考によって、成功者ともなれば、没落者ともなります。そして、思考があらゆる「創造の元」になります。
「このように思考作用は創造の原動力であって、思考のないところに創造はあり得ない。また思考作用は宇宙の無限力と結びつく働きであると共に、内部の力を呼び起し方向づける働きでもある。古来偉人と呼ばれ成功者と言われる人たちは、よくこの思考は力なりという事実を知り、且つこの力を喚起し活用する方法を体得していた人たちである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房89頁)
其の百二 考え方によって快不快の感じ方が生じ、感じ方が幸福を導く…
目に見える形の背後に、目に見えない働きや作用が、定め(律)として存在します。心身は一如であり、心と体も、その目に見えない働きや作用の現れです。そのことを、沖正弘導師は次のように説きます。
其の百一 勝敗や損得、巧拙を超えたところに、どう意識を置くか…
勝ちを焦り、儲けようと躍起(やっき)になり、巧くやろうとして慌(あわ)てると、無心からどんどん離れていきます。勝とうとするほど部分に囚われ、儲けようと思うほど相手(お客様)の気持ち(希望)から遠ざかり、巧くやろうと考えるほど表面を取り繕うことにもなります。
其の百 上手にやろうと思うほど、心は乱れ、重心が上がる。そういうときは…
人目を気にし、立派にやろう、上手にやろうと思うほど、心は乱れ、重心が上がり、思うような結果は得られず仕舞いとなります。それは、心の乱れが体に影響を与え、呼吸が乱れるからです。
其の九十九 舞踊の上手は、扇子を落としそうなくらい軽く持っている
鍛錬や稽古を重ね、上手くなればなるほど余分な力が抜けていく。そうして、手ばかりでなく丹田以外の力が抜けていくところに、諸道諸芸のコツがあります。
其の九十八 達人の呼吸は、吐く息にだけ力がはいっている!
達人の呼吸コントロール法とはいかなるものでしょうか。それについて沖正弘導師は、次のように述べています。
「達人の呼吸は、吐く息にだけ力がはいっている。吸い込む息は自然のままである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房84頁)