何事も、強く願い、鮮明にイメージするところから成功が導かれます。成し遂げようとする事に対して、イメージを鮮明に描くこと。そして、希望を持ち、目的からブレないこと。そこに、成功するか、不成功で終わるかの分かれ目があります。沖正弘導師は、次のように述べました。
「だから、まず成功を求めるものは、希望を持つことが第一条件である。そうしてこの希望を達成するために、その希望が達成される可能性のあることを信じ、たえず希望達成への努力を続けるとともに、希望の達成された結果を常に映像して、楽しい夢を描く時間を送るがよい。その夢は必ず実現するから、実現するまでは、決してその目的を変更せずに日々刻々はっきりと目的を連想して邁進すればよい。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房89~90頁)
さて、せっかく先人の生き様から大切な心得を学び、その考え方や本氣の努力に心打たれても、そのまま感動に酔うだけで終わる人がいます。学んでピンと来た「気付き」を、ちゃんと自分に「置き換え」ていないのです。そういう人は、「自分ならどうするか」という実際的な応用力が足りないのでしょう。
感動しているから、確かに熱くなっています。端(はた)から見ても、「ああ、この人は感情が高ぶっているな」と分かります。でも、残念なことに「学び」から熱さを貰ったというだけであって、自分が熱源になるところまで高まっていません。学んだ直後は熱くなるものの、それは“借り物”としての熱さですから次第に冷めていき、自分から他人へ熱が伝わることは殆ど無いのです。
では、どうするか。まず、その「熱さ」を持続させられるよう(具体的な)自分ゆえの夢を描き、それが達成されたときのイメージを鮮明に描くことです。次に、前向きな「希望を持つこと」が大切で、その希望が叶うことを信じて、明るく楽しく一心に努力(行動や活動)を続けましょう。
希望や夢は志とも言えます。志であれば、何のため・誰のために行うのかという目的が明確です。夢が実現するまでは、「決してその目的を変更せずに日々刻々はっきりと目的を連想して邁進すればよい」とのことです。(続く)