成功するためには、成功している姿を鮮明に描け。それは、大方（おおかた）の成功哲学が説く教えです。同じ事を沖正弘導師も述べていました。
「一つの希望を達成するためにはまず、その目的をはっきりと決定し、それを映像化して注意をこれに集中することが必要である。次ぎにこれを強く思いつづける。そして目的とすることが既に成就した場合を心に描いて、そのように振舞うことが必要である。外部の貧に打ち克つためには先ず内部の貧思貧想を一掃することが必要である。」（1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房９１頁）
希望を達成させるためには、「まず、その目的をはっきり決定」せよとのことです。「目的」は、「ある事」を何が何でも行いたい理由です。それは、「何のため・誰のためにやるか」で説明されることになります。
そして、目的が「原点」からつながっていることであるかどうかです。原点は、人生の「種」であり、苦しいときや悩んだときに戻ることの出来る根源です。原点がよく定まっておれば良い芽が伸びますし、どっしりした根が張られます。その結果、目の前の我欲に迷ったり、せっかくの志が途切れたりといったことも無くなります。
その上で、成功している姿を鮮明に描き、それを強く思い続けましょう。松下幸之助塾長（松下政経塾）は、物事を成し遂げる上で「素直な心になること」と「強く願うこと」の二つが、とても重要であると教えてくださいました。やろうとする事を、どこまで強く本氣で真剣に願い続けているかと。
成功している姿を鮮明に描くというのは、「振舞い」に現わすことも出来ます。振る舞いは、単に姿形を真似ればいいというのではありません。既にその立場に就いているかのように、感じたり思い描いたりすることが振る舞いとなります。
まだ平社員でいる頃から自分が社長ならどう決めるか、まだ一人の議員に過ぎない頃から自分が首長なら何をするか、などについて素直に思考を巡らす習慣を身に付けていくと、成就が早まること間違いなしです！
何かをしようとする際、いろいろな障害が目の前に立ちはだかり、思わぬ邪魔が入ったり、孤独に陥ったりするものです。そういう自分の周囲に潜む「外部の貧に打ち克」たねばなりません。その「ためには先ず内部の貧思貧想を一掃することが必要」であり、成功のイメージを鮮明に描けば「内部の貧困思想」を除去することにもなるという次第です。（続く）