其の百七 自信過剰による失敗~決断を誤り、人を失い、自他共に大きな損失を被る

「自分自身をも他人をも頼りにしない」という兼好法師の言葉には、なかなか深い意味があります。通常は「最後に信じられるのは自分だけだから、他人を頼りにするな」などと教えます。ところが、敢えて自分をもあてにしてはならないというのです。

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其の百四 短所や欠点よりも、むしろ長所や得意で身を滅ぼす…

人間は短所や欠点よりも、むしろ長所や得意で身を滅ぼします。短所や欠点は、物事が上手くいかない原因にはなるものの、必ずしも失敗や破滅の元にはなりません。

また、苦手な分野であれば、最初からあてにしていません。もともと期待していないのですから、予想通りダメであっても、そのこと自体で、ひどく落ち込んだり危機に陥ったりすることは少ないはずです。

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其の百三 否定の向こうに人生を大肯定するという、実に味わい深い心得…

権勢や地位、財産、これらは全てあてにならない。人の心は変わり易く、そもそも信じられる人間なんていない。そう述べているのが『徒然草』第二百十一段です。

一見、暗い思考に過ぎないと思われがちですが、否定の向こうに人生を大肯定するという、実に味わい深い心得が示されています。一切をあてにしなければ、騙される事も裏切られる事も無くなり、この世をタフに生き抜いていけるという強靱な人生観が、そこにあります。

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其の百二 孔子、動きの鈍い弟子たちに注意を促す?!

兼好法師は『徒然草』第百八十八段の締め括りに、「早ければ則ち成功する」という論語の一節を挙げました。そして、「まそほのすすき」の意味を知ろうとしていた登連法師が、そのチャンスを逃さないで直ぐに出向いた故事に倣い、後れを取らないで「一大事の因縁を考えなければならない」と述べました。

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其の百 一枚の枯れ葉が落ちることや、挨拶の何気ない一言からもピンと来る…

誰にも気付かれず、何とも思われない事の中に、素晴らしいヒントや原石が存在している場合があります。感性の鋭敏な人であれば、一枚の枯れ葉が落ちることや、挨拶の何気ない一言からピンと来るものを感じ取り、重要な変化(課題や問題点など)を発見することになります。

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其の九十九 専門学校に進学したから、大和言葉や文明法則史学の師匠に出会えた!

敢えて大学に行かないで専門学校を選らんことについて、追記しておきたいことがあります。それは、専門学校に進んだことで大事な出会いを次々いただき、その後の運命が大きく開かれていったということです。

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其の九十八 私の天命は、志士人物育成の帝王学指南にある!

大学進学以外に、もう一つ捨てたことがあります。それが政治家への道です。鍼灸の専門学校を卒業した筆者は、インドの思想が知りたくて、静岡県三島市にある求道実行会密教ヨガ修道場という道場に住み込みで入りました。導師は沖正弘という、戦後の日本にヨガを草分け的に導入した人物で、道場名としては沖ヨガ修道場で知られています。

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