その162 情報収集にあたって最も重要となるのが、人による洞察力と判断力

戦争くらい出費の多い難事はありません。「十万の大軍を起こして千里の遠くに出征させ」るのですから、国民にとっても政府にとっても莫大な経費の掛かる取り組みになります。その上、戦争は非常事態なのですから「国の内外が騒動となり」、道路は兵士の移動と戦車や物資を運ぶ輜重車(しちょうしゃ)の通行が優先されます。人民の生活に制限が掛けられ、農民らは軍隊への奉仕に忙しくなり、耕作に励めない者が多数現れるでしょう。

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その161 開戦前に展開される、情報戦や宣伝戦に負けてはならない

筆者の世代の場合、スパイと聞けば「007」や「スパイ大作戦」、「0011ナポレオン・ソロ」などの映画やドラマを思い起こします。主人公のスパイは、強くて格好良く、冷静でジョークも言え、ハンサムで美女にモテモテです。

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その160 無意味で無駄な戦争は、決して起こしてはならない…

戦闘に勝った、敵城を奪ったと喜んでいるだけではダメです。勝利後の占領政策がきちんと行われませんと、抵抗運動が激しく起こるなどして統治の負担が多くなり、却って国家の「凶事」ともなります。敵の人民が占領軍の方針に従わず、ゲリラ戦などで激しく抵抗して来るですから、勝利までの軍費が無駄となり、その後の費用も嵩(かさ)みます。結局、掛けた軍費が無駄になり、その様子を孫子は「費留」と呼びました。

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その158 火が風上に発生したときは、風下から攻めてはならない…

続いて、火攻めの注意事項が説明されます。

《孫子・火攻篇その二》
「火攻めというものは、必ず五通りの火の変化に従って対応すべきだ。火の手が敵陣内に発生したときは、早く外からも応じよ。火の手が敵陣内に発生したのに兵が静まりかえっているときは、そのまま待機して攻めてはならない。その火勢を見極めつつ、攻めるべきなら攻め、攻めてはならないなら止めればいい。

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その157 一見派手な火攻めにも、辛抱強さが求められた…

火攻めには、下記の五種類があります。但し、これら五つは火攻めにおける別々の攻撃目標というよりも、そのときの状況下でどこなら攻められるか、どこを焼けば有効なのかを判断するための項目と考えるべきでしょう。

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その156 悲惨な火攻めについて、孫子は何を語っていたか…

戦争には、甚大な被害をもたらす火攻めが付きものです。大東亜戦争の際、アメリカ軍による空襲によって50万人以上の一般国民が殺害され、その多くが火を原因に亡くなりました(広島・長崎の原爆被害含む。総死者数は諸説有り)。

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その155 孫子の兵法~始めは処女の如く、後は脱兎の如く…

「始めは処女の如く、後(のち)は脱兎の如く…」という、よく使われる言葉があります。最初の内は、まだ嫁入り前の実家にいる娘のように静かに振る舞っているが、そういう神妙さは最初の間だけ。状況が有利に転じたと見たら、一気に姿を変えて激しくなり、まるで脱走する兎のように勢い良く飛び跳ねて行ってしまうという意味です。

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その154 諸侯をとりまとめて天下の秩序を維持する「覇王の軍隊」となれ!

九地篇その六について、言葉を補いつつ、さらに分かり易く訳してみます。周代の封建領主である諸侯は、下剋上が激しくなりつつある古代社会にあって、第一に自分の地位の安泰と領地の保全を図らねばなりませんでした。そこで孫子は、次のように指南します。

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その153 死地に陥ってこそ、生きのびる力が湧き出てくる!

孫子が活躍した春秋時代、有力諸侯が次々現れて覇を競い、同盟(会盟)を率いて諸侯をとりまとめました(春秋五覇)。天下の秩序を維持した有力諸侯は、覇者や覇王と呼ばれる大人物たちです。その威厳は、九地を知り尽くし、地の利を得るところから起こされました。

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