高校3年生のときのこと、教室の後ろに張られている「世界史年表」を見ていて、ふと思った事がある。世界の国々は、国家そのものが何度も替わっている。その中で、日本だけは昔から今に至るまで日本のまま変わらないのではないかと。
年表を見る限り、日本は「一続きの国家」であると感じてならない。でも、その理由が分からない。そこで、日本史の授業のときに質問してみた。教師は、苦しい作り笑いをしながら顔を真っ赤にした。そして、しどろもどろに国家の要件だの、日本の歴史にも紆余曲折(うよきょくせつ)があるだのと喋っているのだが、納得のいく核心を突いた答は何一つ無かった。