何事も、初心者としての取り組みは本当に大変です。分からない事や戸惑う事に苦労して不安だらけですが、その不慣れなときの体験や経験は、その後の人生にとって「一つの自信」や「大切な支え」となってまいります。
連載
其の五十三 僅かな期間でも、体験するのとしないのとでは大きな差が生ずる…
砂糖を食べたことがないため、「甘さ」というものを知らないという人に、どう説明したら甘さを分かってもらえるでしょうか。「砂糖は食べるととても美味しく、とろけるような心地良さがある。甘味(あまみ)とはそういうものなり」などと説明してみたところで、砂糖を食べたことのない人に「甘さ」の本質を理解させるのは極めて困難でしょう。それと同様に、武道や稽古事など諸芸・諸能において、そのコツや神髄を説明のみで理解してもらうことは不可能に近いと言えます(この砂糖の例えは、松下幸之助翁の話の中にありました)。
其の五十二 学んだらやってみる、知ったら生かしてみる…
知(ち)と行(こう)の合一、すなわち知ることと行うことは一つであるという「知行合一」の思想(陽明学)を唱えたのは、中国明代の思想家・王陽明です。
知ったからには行う、行ってこそ知は完成するという行動哲学であり、我が国の志士たちにも大きな影響を与えました。沖導師は、そこにヨガの基本姿勢があると教えています。
其の五十二 才能が乏しくても、基本を守って毎日努力を重ねていけば必ず一流となる
沖導師による「奥義」の解説の続きです。この奥義の話こそ、本連載において、沖導師の教えを通して皆さんに伝えたかった核心です。
其の五十一 仕事であれ何事であれ、究めた者だけが到達する境地がある…
徒弟制度が生きていた昔、仕事は見習い小僧の丁稚奉公(でっちぼうこう)から始まり、やっと一人前になるまでに時間が掛かりました。仕事自体が「修養としての一つの道」になっていて、仕事場は人生の道場でもあったのです。
其の五十 無理せず・無駄せず・気にしないで、新たな道へ転換するのも方法
理由は特に無いが、「もう一度、確認しておこう」というモヤモヤした気持ちが湧き起こってきた。それで、念のため調べてみたら本当に間違いが見つかった、というような経験は誰にでもあると思います。「虫の知らせ」といったインスピレーションによって、問題を早期に発見出来て良かったといった事もあるでしょう。
其の四十九 大宇宙の根源に通じ、自己の天分を自由自在に生かす!
「またわれと離れた神が救ってくれるとか、あるいは現実を離れた悟りがある(相対)かのように思うのは間違いであって自己陶冶以外に解決法がない」という沖導師の言葉の意味を、まだ解説していませんでした。
其の四十八 静中に動機を失わず、動中に静境を保つ…
東洋思想の陰陽論には、陰中に陽が有り、陽中に陰が有るという考え方があります。陰を季節の冬とすれば、寒い冬(陰)にも日中の陽だまりには温かさ(陽)があります。これが陰中陽有りです。
其の四十七 新入社員であっても、会社の伝統を背負っている…
全てに対して何らかの責任を持つということについて、例え話を述べておきます。
会社見学で、ある大手企業を訪問したとしましょう。見学の途中で、社史について尋ねてみたいことが生じました。ガイド役の社員に聞こうと思うのですが、ガイドさんは他の見学者と話しているため、なかなか質問出来ません。そこで、目の前で作業している社員さんに聞くことにしました。
其の四十六 大宇宙の根源力が一切に及び、あらゆる存在を成り立たせている…
自力と他力という言葉があります。自力は自分の力、他力は他者の力です。
前者が自分で道を切り開いていく力であるのに対し、後者は他者の助けを得て生きていく力となります。