縦横十字のマトリクス表を、もう一度頭に浮かべてください。左上(2)の表観+客観タイプに「道徳家」が、右下(4)の裏観+主観タイプに「宗教家」がきます。道徳と宗教は、どちらも「人の生き方」を教えていますから似ていると思われがちですが、左上と右下という対極に位置する分、明らかな違いがあります。
連載
其の三十二 四観がその場その時に応じてよく機能する人は、人間としてとても魅力的
主観・客観・表観・裏観の四観による組み合わせは、(1)表観+主観、(2)表観+客観、(3)裏観+客観、(4)裏観+主観の四通りです。それぞれのタイプに、特徴や傾向があるということを述べました。
其の三十一 主観・客観・表観・裏観を、縦横十字のマトリクス表で見てみる!
主観・客観・表観・裏観という、四観(四つの観)について説明しました。これら四観は、四通りの組み合わせが出来ます。
縦横十字のマトリクス表を頭に浮かべてください。縦軸の上に表観、下に裏観、横軸の右に主観、左に裏観を置きます。そうすると、中心点から見て、右上が(1)表観+主観、左上が(2)表観+客観、左下が(3)裏観+客観、右下が(4)裏観+主観となります。
其の三十 表観と裏観、バランス良く用いると、人間を的確に掴めるようになる!
それから、表観と裏観について述べます。これらは聞き慣れない熟語だと思います。筆者は、国学(大和言葉の世界観など)の師・河戸博詞先生から、この表観と裏観という言葉を学びました。
其の二十九 安全地帯に身を置かないで、あなた自身の実践・実行を述べてください
主観・客観・表観・裏観。四つの観だから四観といいます。これらは、漢字を見ただけだと難しそうに思うかも知れませんが、物事に対する観方(みかた)として、誰でも普段行っていることばかりです。
其の二十八 物事を、ありのままに受け取るカムナカラの哲理
「物事の真実を把握するためには、そのものがそのままに受けとれなくてはならない。真実が受取れるためには平静心、平衡体でなければならない。平静となるためには無対立、無条件でなければならない。要求を持ち、差別を持つと乱れてくる。有無を超えた状態つまり空になって始めて全体を受取る心・全体を受取る体となれるのである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房57頁)。
其の二十七 スイッチがオンになっていれば、重要な閃きがふっと頭に浮かんでくる
「正姿勢」は文字通り正しい姿勢で、「全身のどこにも力が遍在していない、重心の安定している状態」のことです。正姿勢であれば、丹田を中心に全身が一体となり、余分な力、特に肩の力が抜けおります。
其の二十六 囚われや拘りは、何かを学んだときや、教えを受けたときにも起こる
沖導師は感受性を働かせる上で、集中することが大事であると述べています。
「同じ刺戟でも注意を集中していると感受性が高まり、注意の散漫なときには感受度が低下する。また心身のくつろいでいる時と息の深く静かな時にも感受性は鋭敏である。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房55~56頁)。
其の二十五 本来の日本人の感性や感覚を取り戻す
世界中どこの国の文化も、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を使って成り立っています。中でも日本文化は、いっそう五感を繊細に働かせていると思われます。
日本画の自然な色彩の豊かさ、自然の音と一体化する邦楽器音、自然の香りをたしなむ香道、抹茶の自然な味わいを頂戴する茶道、手の鋭敏な感覚を生かす陶芸などを見れば、日本人がとりわけ繊細さを生かしてきたことが分かります。
其の二十四 常にバランスを取り、平衡状態を維持しようとするのが生命体の働き
沖導師は、バランスについて、また次のように述べています。
「刺戟と反応のバランスのとれていることが健康で、体が内外ともに整っている状態である。刺激と反応の不平衡が体のアンバランス状態であり、不平衡から平衡に還ろうと動く場合に異常を感じるのであって、これが病気でありまた苦悩である。つまり生きているということは常に平衡状態であろうとする働きをいうのである。この働きは保護すれば弱くなり、鍛えれば強くなる。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房55頁)。