沖導師は「すべてこの宇宙に必要なもので」あるから、「すべては善である」と言われました。すべてが善であれば、物事を単純に善悪二元論で捉えてはいけないということになります。
連載
其の四十四 悪党でも、まとめ役がいるほうが秩序は保たれる…
そもそも「この宇宙に善悪など無い」というのは、いわゆる「悪」をそのまま放っておいていいという意味ではなく、迷惑千万な悪は勿論懲らしめねばなりません。
この世に悪党と呼ばれる人間がおります。それが大悪党ともなると、大英雄と紙一重になります。
其の四十三 互いに善を掲げて言い争うほど、醜い悪は無い…
過多や不足は悪。過多や不足の無い、バランス(調和)の取れている状態が善。そう述べたのは、儒学思想家で幕末志士三千人の師と言われる佐藤一斎です。
其の四十二 行けるなら行く、行けないなら行かない、ただそれだけ…という達観
すべてをあるがままに受け入れるという在り方は、努力を否定して「今のままでいい」というのではないし、次々生ずる問題に対して何も対策をしなくていいというのでもありません。あるがままの容認には、真の強さがあります。
其の四十一 一切がこの宇宙の調和維持のために生まれて来ている…
松下幸之助塾長が善悪論で言われたかった骨子は、善と悪は表裏一体の関係にあって切り離せないということではないでしょうか。善がなければ悪は存在せず、悪が無ければ善は成り立たない。だから両者は一つであると。善悪は対立する二元ではなく、見方や状況によって、善とも悪ともなる一元的なものであるというわけです。
其の四十 善人よし、悪人もまたよし…
ところで、松下幸之助塾長(当時)が塾生に語った講話の中に、なかなか難解な内容がありました。その一つが「悪も必要」という考え方です。松下塾長は、下記のような問い掛けを塾生にしています。
其の三十九 日本は一根源多神教の国
宇宙以前に創造主がおり、創造主はその力を使って宇宙を創造されたという考え方があります。創造主は宇宙以前、言い換えれば宇宙の「外」にいるという見方であり、一般的に一神教がこの解釈をとります。唯一神である創造主が、この世の一切を外から創られたという見解です。
其の三十八 宇宙を生成発展させる力は、はじめから宇宙の中に内在している!
この宇宙は、どのように生成し発展してきたのでしょうか。宇宙活動の根源があるとすれば、それは一体何でしょうか。
『古事記』冒頭には、アマノミナカヌシの神という宇宙の中心を司る働きがあり、それが陽の働きと陰の働きとなって活動力(ムスヒ)を生み、見事に発展していって大宇宙が成立したと記されています。
其の三十七 必要な物は取り入れ、不要な物は捨てていく…
何かを恐れる心を、自分が作り出している場合があると述べました。不安が高まってきて恐怖心が生じ、疑心暗鬼となって対立が深まるのは、国家同士の関係にも起こり得ます。
これまで外向的な約束を互いに何度も裏切ってきたというような場合、相手国に対する不信感は根深く、ちょっとした事で緊張の度が高まり易くなります。ここで叩いておかないと一気にやられかねないという恐怖心が、先制攻撃を誘発させる下地となるのです。
其の三十六 暴言や暴力は、心に余裕の無い人ほど起こし易い…
続いて沖導師の教えを紹介していきます。
「恐怖するのは、悪あり、損あり、敵ありと対立するからで、物事の真実を見る明がないからである。物事の真実は、現象はそのまま実在の現われであるという事実である。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房60頁)