No.101 自立が無ければ共生は起こらない

弱肉強食と食物連鎖

この世は基本的に、対立で成り立っているのか、共生で成り立っているのか。

生物の世界であれば、弱肉強食が普通だから対立に決まっている。いや、群をつくることで子孫を育てている猿などを見れば、そこに共生関係があるのは明らかだ、などと相反する意見が出てきます。歴史観においても、歴史を階級間の闘争の結果と見るものから、国民の協力と努力の賜と見るものまで様々です。

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No.99 言葉に振り回されてはいけない

名前が付くと部分になってしまう

宇宙は大きな象だから形が無い、ということを話しました。その宇宙を成り立たせている根本原理が「道」です。道は、普通の感覚で捉えられるレベルを超えた存在であり、それ自体、目には見えません。老子は、そういう様子を「道は隠れていて、言葉で言い表せない」と表現しました。

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No.98 宇宙の外は、どうなっているの?

宇宙は、時間と空間で構成されている

これ以上ない大きな形、それを「大象」といいます。老子は、「大きな象」は無形と同じだと語りました。大象が何であるかといえば、一番は勿論大宇宙です。大宇宙自身が宇宙における最大の存在であり、これ以上の「大きな象」と呼べるものは他にありません。

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No.96 大器晩成であった龍馬、西郷、海舟

大人物ほどゆっくり成長し、晩節に至っても成長を止めない

第四十一章の、一番有名な言葉である「大器は晩成する」に辿り(たどり)着きました。大人物ほどゆっくり成長し、晩節に至っても成長を止めない、というのが「大器晩成」の意味です。

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No.95 懐に「狂気」を忍ばせよ!

いざというときの切れ味や鋭さを失ってはならない

四角いものがあり、それが無限に大きくなれば一体どうなるでしょうか。老子は、四角であるという形状自体に意味が無くなると言いました。「無限大の方形は、隅角(ぐうかく)が無いかのようだ」と。あまりにも大きいから、隅(すみ)や角(かど)が無いのと同じになるというわけです。

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No.92 山の威厳と、谷の器量を併せ持て

儒家の「後天の徳」、道家の「先天の徳」

「徳」は、儒家(孔子など)と道家(老子など)が、同じくらい好んで使う言葉です。儒家が「徳」と言う場合、自己啓発によって磨かれた「後天の徳」を指す場合が多いのに対し、道家では持って生まれた「先天の徳」を意味するのが普通です。教化の努力を重んずるのが孔子であり、本来備わっている荒木(樸)の魅力を損ねないよう教えているのが老子なのですから、その違いは当然のことです。

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