◇陰と陽は、密接に関わり合っている◇
物事を陰と陽に二分するのが陰陽論ですが、二つに分離・固定して終わりという考え方ではありません。陰と陽は、密接に関わり合いながら、力強く脈動し循環しております。
◇陰と陽は、密接に関わり合っている◇
物事を陰と陽に二分するのが陰陽論ですが、二つに分離・固定して終わりという考え方ではありません。陰と陽は、密接に関わり合いながら、力強く脈動し循環しております。
◇二元対立ではなく二元共生◇
さて、ここで「陰陽」について解説を加えておきましょう。陰陽の哲学、すなわち陰陽論とは、物事を陰と陽の二元に大別する東洋思想のことです。
この陰と陽は対極の関係にあり、陰は下に位置するもの、より静かで動かないもの、受動的なものなどを意味します。陽はその反対で、上に来るもの、より盛んで動くもの、能動的なものなどを表します。
◇ちょっとした気遣いがあれば、沖気を発生させることが出来る◇
部分で対立しつつも、全体では調和している。それが自然界の実相だと思います。あらゆる物事を二元的な対立のみで捉えてしまって、全体を見忘れていたら部分観から抜け出せません。目の前の対立を超えたところに共生があるのであり、これを掴(つか)みませんと、全体観の広い世界には出られないのです。
◇弱肉強食と食物連鎖◇
この世は基本的に、対立で成り立っているのか、共生で成り立っているのか。
生物の世界であれば、弱肉強食が普通だから対立に決まっている。いや、群をつくることで子孫を育てている猿などを見れば、そこに共生関係があるのは明らかだ、などと相反する意見が出てきます。歴史観においても、歴史を階級間の闘争の結果と見るものから、国民の協力と努力の賜と見るものまで様々です。
◇名前が付くと部分になってしまう◇
宇宙は大きな象だから形が無い、ということを話しました。その宇宙を成り立たせている根本原理が「道」です。道は、普通の感覚で捉えられるレベルを超えた存在であり、それ自体、目には見えません。老子は、そういう様子を「道は隠れていて、言葉で言い表せない」と表現しました。
◇宇宙は、時間と空間で構成されている◇
これ以上ない大きな形、それを「大象」といいます。老子は、「大きな象」は無形と同じだと語りました。大象が何であるかといえば、一番は勿論大宇宙です。大宇宙自身が宇宙における最大の存在であり、これ以上の「大きな象」と呼べるものは他にありません。
◇音を超えた音を聞け◇
まだまだ第四十一章が続きます。もう少し本章の「謎かけ」にお付き合い下さい。
「大きな音は微かな声だ」。大きな音なのに微(かすか)に聞こえるというのですが、これは一体どういうことでしょうか。
◇大人物ほどゆっくり成長し、晩節に至っても成長を止めない◇
第四十一章の、一番有名な言葉である「大器は晩成する」に辿り(たどり)着きました。大人物ほどゆっくり成長し、晩節に至っても成長を止めない、というのが「大器晩成」の意味です。
◇いざというときの切れ味や鋭さを失ってはならない◇
四角いものがあり、それが無限に大きくなれば一体どうなるでしょうか。老子は、四角であるという形状自体に意味が無くなると言いました。「無限大の方形は、隅角(ぐうかく)が無いかのようだ」と。あまりにも大きいから、隅(すみ)や角(かど)が無いのと同じになるというわけです。