釈尊の没後、その教えを弟子たちが集まってまとめました。それを「結集(けつじゅう)」と言い、その第一回は没後間もなく行われました。集まった弟子は五百人。師の言葉を暗記していた弟子たちは、それぞれの記憶を辿りながら教えを集録・整理しました。そうして、最古の経典としてまとめられたものが『スッタ・ニパータ』です。
連載
その89 釈尊や孔子など、偉大な思想家・哲学者が出て来る時期
ところで、釈尊や孔子など、偉大な思想家・哲学者が出て来る時期というものがあります。文明法則史学によれば、文明サイクル(CC)の終わり頃が、その時期となります。
文明サイクルは1600年で1サイクルです。前半800年は休息と準備、後半800年は成長と大成のときとなります。
その88 国王として国家を守るか、出家して精神的指導者となるか…
仏教の開祖を、釈尊(しゃくそん)と言います。本名はゴータマ・シッダルタで、釈迦(しゃか)、釈迦牟尼(しゃかむに)とも呼ばれ、釈尊はそれを尊んだ呼び名です。釈尊が生きたのは、紀元前563から同483年にかけてです(前463~前383の説もある)。
釈尊は、ヒマラヤに近いシャカ族の小国カピラバストゥに生まれました。釈尊は、とても感じ易い性格で、幼い頃から物思いにふける傾向があり、老病死に対して恐れを抱きます。
その87 仏教思想概論
◇目覚めた人、つまり仏陀になるとはどういうことか?◇
綜學の各論として、中国思想の概説を終えました。今度は、これも日本思想に大きな影響を与えた仏教思想について述べてまいります。釈尊(しゃくそん)によって北インドで起こされた仏教は、西域やチャイナ、そして朝鮮半島を経て日本に伝わります。
その86 この世界は、対極・対立関係ばかりで成り立っているのではない
陰と陽は同時に存在し、それぞれ強くなったり弱くなったりするのですが、陰だけ・陽だけとはなりません。陰が強めのときと陽が強めのときが巡るのであって、一方が勝ち残り、もう一方が消え去るということはないのです。
さらに、陰の中に陽が有り、陽の中にも陰が有ります。これを「陰中陽有り、陽中陰有り」といい、陰陽論は立体的な構造を持っております。
その85 もしも陰陽の循環が無ければ、活動は止まってしまう
それから、中国思想の特徴の第七として「根底に循環の思想がある」ということを付け加えておきます。東洋医学の原典である『黄帝内径』に、「陰を重ねれば必ず陽になる。陽を重ねれば必ず陰になる」と書かれています。
その84 チャンスを逃さず、虚を攻めよ!
『孫子』と並ぶ兵法書とされているのが『呉子』です。『呉子』に「兵を動かすときの最も大きな間違いは、もたもたしていて機会を逃してしまうことにある」と書かれています。
虫や魚の中に、獲物が近付いてくるのをじっと待っていて、捕まえられるチャンスと見たら、タイミングを逃さないで一瞬で捕捉してしまう“天才ハンター”たちがいます。相手に気付かせないよう息をひそめているときの静かな様子と、瞬殺するときの素早さの落差には、本当に驚くばかりです。
その83 先手を打って、あらかじめ勝っておけ!
まだまだ中国思想には特徴があります。その第六は兵法の存在です。勝つための教えである兵法には、先手を打つこと、大局を整えること、情報を得ること、チャンスを逃さないこと、虚を突くことなどの基本があります。
その81 人間の本性はどちら? 性善説と性悪説
中国思想の特徴の第五は、多面的人間観を持っているということです。性善説と性悪説の双方を兼ね備えることで、人を善・悪どちらか一面に固定させません。善い面と悪い面の両方を、多面的に観ているのです。
誰にでも、困っている人を見たら放っておけない「仁の心」があります。目の前の人を見捨てるわけにはいかないと思う心に基づくのが、人間の本性を善と観る性善説の人間観です。これを唱えた代表的な思想家が孟子です。