No.71 根本を掴み、原理に則れ

根本原理である「一」を得る

《老子・第三十九章》
「昔から一を得たものがあり、(その中で)天は一を得ることで清浄で、地は一を得ることで安寧で、神は一を得ることで霊妙で、谷は一を得ることで充足し、万物は一を得ることで生育し、君主は一を得ることで天下の貞直となる。そのようにこれらをさせるのは一だからである。

続きを読む

No.70 重心を下げて生きていけば安定していられる

共通の原理を掴めば全体が分かってくる

東洋思想の基本に、全てにつながる原理を認め、これを直覚的に掴もうとする考え方があります。そもそもこの世界には、あらゆる物を生かしている根元的な働きがあり、その「共通の原理」を捉えさえすれば全てが分かると考えたのです。

続きを読む

No.69 中途半端な学びは「言葉の武器」を手に入れるだけ

【修正】「その62」の「前もっての知識(智)は、(儒家の)道にとっては華であるとしても愚の始めだ」という文章を以下のように修正します。
「前もっての意識は、(儒家の)道にとっては華であるとしても愚の始めだ」。
「知識(智)」を「意識」に変えました。

続きを読む

No.68 疑わしいから約束し、信じていないから誓い合う…

儒教は本当のところ無力ではないのか、という疑問

中国・春秋戦国時代に登場した思想家の群れを「諸子百家」といいます。
約300年間に、ほぼ全ての学派が出尽くしました。その天才的思想家たちの先頭ランナーが、儒家の始祖である孔子です。

続きを読む

No.65 感謝したり感激したりしてくれないと怒り出す…

義に生きる人には硬いイメージがある

次に「義の上なるものは、何かを為して為にするところが有る」と続きます。
上のレベルであっても義に生きる人には、何かを為したときに意図的なわざとらしさが出てしまうというのです。これは、正義漢の注意点ですね。

続きを読む

No.64 未来へ陰徳を積む生き方

「仁」にもレベルがある

儒家思想における一番のキーワードは、何と言っても「仁」です。仁は、人を表す「イ」と「二」が組み合わさった会意文字で、人が二人いることを意味しています。二人というのは自分と相手のことで、「明確な相手のために自分が何を出来るか」を問い掛けている漢字が仁なのです。

続きを読む

No.62 徳が下がると、仁や義が唱えられるようになる

徳・仁・義・礼の順で下がっていく

何も為さないのに、何でも為していく。爪先立った欲が無くて静かでいるから、天下は自然に定まることになる。そういう内容を前章で学びました。続く第三十八章には、「徳」「仁」「義」「礼」などの中国思想のキーワードによって、無為自然の「道」の尊さが説かれています。

続きを読む