No.34 迷ったときは原点に帰れ!

日本全体、世界全体にとってどうなのか

適位置・適量・適時のモノサシを掴んで頂けたなら、続いて手に入れて頂きたい尺度があります。それは、空間的・時間的な観方を、さらに拡げることで獲得できる価値基準です。

空間においては、より上位の尺度を持つことによって、日本全体を捉えたり、世界全体を意識したりしましょう。自分一個の損得に終わることなく地域社会の発展を、地域社会の都合だけに留まることなく国家国民の正義を、国家国民の利益のみで満足することなく世界人類の平和と繁栄をというように、さらに大きいところに立つことによって、何が正しいのかを見極めていくのです。

続きを読む

No.33 適位置・適量・適時というモノサシでバランスを取れ

空間的には、適位置と適量を見よ

善悪というものは、大局的に全体を観なければ判断出来ない。全体観には、空間的な観方と時間的な観方がある、というところまで述べました。

空間的な観方では何が大事かと言いますと、一つは適位置です。部品であれば、それが相応しい場所に当てはまっているかどうかです。自動車のステアリングにはステアリングのあるべき位置、タイヤにはタイヤの正しい場所というものがあります。それが適切であれば、善ということになるでしょう。

続きを読む

No.31 過去の事実は変えられないが、過去の意味は変えられる

林のおやっさんだけは普通に接してくれた

「清濁併せ呑む」という言葉があります。人間関係ならば、真面目な人から過去に問題を起こした人まで何でもござれ。善も悪も、純粋なものも不純なものも、どちらも併せて一緒に飲み込んでしまうという、懐の大きさを表した言葉です。

続きを読む

No.30 リーダーには、空っぽなところが必要

谷の器とは何か

リーダーの役割は、取り組んでいる事業を何のため・誰のために行うのかという、理念や目的を明らかにするところにあります。その上で、到達すべき目標を示し、目標達成のための行程を整え、手段・方法に知恵を絞っていきます。

続きを読む

No.29 昭和天皇が、好きな力士の名前を明かされなかったわけ

指導者は無心であれ

昭和天皇は、大の相撲ファンでした。あるとき、マスコミの代表から好きな力士の名前を問われましたが、陛下はそれを明かされませんでした。名前を言うと、その力士ばかりが新聞に載り、他の力士が可哀想になるから言えないとお答えになったのです。無私の心をお持ちであった、昭和天皇らしいエピソードです。

続きを読む

No.28 無理とは、天地自然の原理に外れている状態のこと

「わたし頑張ってます顔」に要注意

よく観察しないと、重心が上がり焦ってばかりいる人のことを、「力を尽くして活躍している人なんだ」と勘違いしてしまいます。眉間に皺(しわ)を寄せた「わたし頑張ってます顔」に注意せねばなりません。

むしろ、ぼんやりした顔でいながら、実際は常に先手で準備をし、為すべきタイミングを外さない人のほうに本物がいるものです。そういう人は、為すべきタイミング(適時)ばかりでなく、相応しい位置(適位置)や適度な量(適量)をよく知っています。

続きを読む

No.27 自然体は、何もしていないかのように見える

真っ先に解雇の対象になったA君

「何もしないところに至る」と聞くと、「一切合切(いっさいかっさい)何もしなくていいのだ」と早合点する人がいます。老子が全然何もしないことを勧めていたのかというと、決してそうではありません。

続きを読む

No.25 一緒にいても面白くない人間

知識が思考を縛る

本を読んだり話を聞いたりして、勉強すれば知識が増えます。知識が広がること自体はいいことですが、断片的な言葉が頭の中に増えますと、物事を部分的にしか捉えられなくなります。いわゆる秀才の中には、融通の利かない考え方に囚われ、直感に欠けて鈍感になっている者がいます。その原因は、学んだ知識が思考を縛ってしまい、柔軟な見方が出来なくなり、全体的な観察力に乏しくなっているところにあります。

続きを読む