No.64 松下翁、ウイスキーを10杯も飲まれた理由

部下が気になる。どうしてだろう、どう注意したらいいのか

大人の日常にとって、心身のコントロールくらい大切で、しかも大変なことはありません。心身の安定のためには、道の働きが重要です。これ(道の働き)を生かしつつ、心身を本来の状態に復帰させることが肝要となります。

方法として、まず挙げるべきは「素直な心になる」ことです。それは、赤子の心に復帰することに他なりません。綜観の師匠である松下幸之助翁こそ、高齢になっても素直さと赤子の心を失わないでいた代表的人物でした。

続きを読む

No.62 赤子の旺盛な生命力に復帰しよう

赤子は毒虫や猛獣、猛禽に襲われない!?

「徳」は中国思想の重要なキーワードで、儒家も道家もこれを尊んでいます。しかし捉え方に違いがあり、儒家では努力によって磨かれた「後天の徳」を「徳」というのに対し、道家では持って生まれた天性や個性などの「先天の徳」を「徳」の意味としています。

続きを読む

No.61 内なる強さを赤子に学ぶ

見た目が弱ければ力が乏しいと思うのは偏見

老子は、水の柔軟性や、女性の持つしなやかさ、赤子の純朴さなどを尊びます。水や女性や赤子は、通常弱い立場にあると見られているものです。常識的には、水は岩石より弱く、女性は男性より柔弱で、赤子は大人より虚弱です。

続きを読む

No.60 それぞれの段階に合った道の生かし方がある

大国は、道に反してまで今以上に大きくなろうとはしない

我が身、家、郷里、国ときて、さらに「道」を「天下に修めれば」どうなるでしょうか。老子は、その徳はどこまでも広く行き渡ると言いました。

中国にあって「天下」とは、国々が覇を競い合う地上世界のことです。
そこでは、大国と小国がひしめき合って、合従連衡(がっしょうれんこう)を繰り返しています。大国はライバル国を倒して天下取りを志し、小国は小国で大国に飲み込まれないよう生き残りに必死となります。

そういう現実の中で、天地自然の原理である「道」を修めるとは、一体どういうことでしょうか。結論を言えば、大国は道に反してまで、今以上に大きくなろうとはしない。小国は道に従って個性を生かし、自立を維持していくということになります。

続きを読む

No.59 なぜ人は国をつくったのか

共感し合える仲間がいるから幸せを味わえる

さらに「道」が国に働いた場合はどうでしょうか。「之を国に修めれば、その徳はすなわち豊かになる」と老子は説きました。

そもそも、なぜ人は国をつくったのか。当然のことながら、それは進歩と幸福のためです。一人では出来ない仕事も、仲間がいれば前に進められます。また、人は一人では生きられません。生活を共にし、喜びも悲しみも共有出来る仲間がいてこそ、我々は幸せを掴んでいけます。その大きな単位が国家というわけです。

続きを読む

No.58 生き残るための基本は、足元の深いところに眠っている

人間は、目に見えない根を張っている

続いて、天地自然の原理である「道」が郷里に働いた場合です。郷里には、それぞれの気候風土というものがあります。山には山の、海には海の、寒いところには寒いところの、暑いところには暑いところの自然に順応した生活があるのです。それらの風土に合わせた暮らしをするのが、「道を郷里に修める」姿ということになります。

続きを読む

No.57 気丈な女に支えられてこそ、男は危機を突破していける

天から頂いた我が持ち分、すなわち天分を生かせ

第五十四章の続きを述べてまいりましょう。「之(道の働き)を我が身に修めれば、その徳はすなわち純真となる」と。

道の働きを我が身に修めるというのは、天から頂いた我が持ち分、すなわち天分を生かすということです。(天地自然の原理である)道は、自分自身の中にも働いています。それが天分や天性であり、これが損なわれなければ素朴・純真でいられるというのです。

続きを読む

No.56 自分は先祖の生まれ変わり、子孫は自分の生まれ変わり

先祖と子孫の間に生きることの意味

深いところに根ざすあり方は、先祖の祭祀にも通じます。老子も本章にあるように、先祖の祭祀の大切さを認めていました。

我々は、ただ一人で生きているのではなく、先祖と子孫の間にあって、そのタテイトをつなぎながら生きております。自分は先祖の生まれ変わりであり、子孫は自分の生まれ変わりであると言うことも出来るでしょう。

続きを読む

No.55 熱意や器量で負けなければ、回りは必ず付いてくる

しっかりと打ち込まれたものは抜けない

あらゆるものを、そうさせている働き。全ての存在を成り立たせている根本原理。それが「道」であり、あれこれ迷わないで、道に根ざした生き方をしなさい。この根本原理を掴めば、我が身も、家も、郷里も、国も、天下も、何でも上手くまとまると、老子は教えます。

続きを読む