No.74 幼いときは規制、成長したら自主性

出来ないことは出来ないと、はっきり言えるかどうか

政治家の仕事は、有権者の要望や苦情をよく聞くことからはじまる。
そして、訴えを受けたら、あれこれ世話を焼くこと。今まではそれが、政治家の取るべき基本動作であると考えられてきました。

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NO.73 理想の政治は、手出しをしないで放っておくところにある

雑音の多い煩雑化した世の中への文明批評

老子の理想とする政治は「無為」にあります。
余分なことは為さないというが無為です。
可能な限り手出しをしないで天下を治めるのが上策であり、無駄な施策が増えれば増えるほど、却って世の中は煩雑化し国民は貧しくなるものだと。

『老子』第五十七章は、内容において他章との重複が多いのですが、その分よく集約された一章となっています。無為の政治の必要性について、考察を深めてまいりましょう。

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No.72 一言でズバッと相手を斬り込むことの出来る凄み

餌に釣られる犬の如き人生でいいはずがない

大体、有力な相手から与えられた地位や名誉などというものは、相手の気が変われば、たちまち奪われてしまうものです。そんな餌に釣られる犬の如き人生でいいはずがありません。魂を売って名利を手に入れ、操られたまま平気でいられるような、主体性に欠けた人生とならないよう注意しましょう。

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No.71 志が本物であるかどうかを天が試している

天命と命懸けで対峙する場

西郷隆盛は沖永良部島の牢獄の中で、心胆を練るべく一心に勉学に打ち込みました。その当時、沖永良部島に流されたということは、生きて鹿児島に戻る可能性が極めて乏しいということでした。

最早、偉くなろうとか、権力を振るいたいとかいう私心は持ちようがありません。それまで学んできた立身出世の勉強とは、全然違うものへ向かうことになりました。牢獄は、一切の俗世間の雑音が断たれた、天命と命懸けで対峙する場です。西郷は、純粋に胆識の養成に没入していったのです。

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No.70 不遇で不自由な期間が心胆を練る

坂本龍馬らの活躍は不要であったかも!?

和光同塵の生き方を貫いたのが、大西郷と称えられた西郷隆盛でした。
西郷は薩摩藩主の島津斉彬に見出されて、雄藩連合による政治改革運動に活躍します。

雄藩連合運動というのは、ペリーの黒船来航後、挙国一致で国難にあたろうとした政権構想のことです。トップに一橋慶喜を立てて次期将軍に据え、これを支えるべく尾張藩や水戸藩、越前藩、薩摩藩、土佐藩、伊予宇和島藩など、御三家から外様藩までが連合するという大構想でした。

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No.69 平気で浪人の出来る生き方が、指導者になるほど必要

無いときは無いように生きればいい

地位や名誉なんて、無ければ無いで結構。使命を果たすため、何らかの立場に就くことはあり得るが、役割が終わったら平気で浪人(地位や役職から退いた者で牢人ともいう)が出来る。昭和歴代首相の指南役であった安岡正篤先生が言われた通りで、そういうさっぱりした生き方が、指導者になるほど必要となります。

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No.68 主体性を確立せよ

変化に動揺せず、圧力に屈せず

先に、生命を維持・発展させる上で、五感はとても重要だと述べました。
五感は視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚です。これらが鋭敏に働くことで、外敵から身を守り、自分に必要な物と不必要な物を選(よ)り分け、命を正常に機能させることが可能となります。

ところが老子は、「穴を塞ぎ、門を閉じ」よと言います。「穴」は目や耳などの感覚器官、「門」は欲望の入り口を指しています。これらを塞ぎ、閉じてしまったら、当然のことながら五感は働かなくなります。

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No.67 決意を表明したら、後は実行あるのみ

分かっているからこそ、敢えて言挙げしない

老子は「(道を)知る者は言わず、言う者は(道を)知らない」と諭しました。本当に物事の核心を掴んだ者ほど、その掴んだ事を妄(みだ)りに口にしない。やたらに言いたがる者は、実はよく知らないと。

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