No115. 悪人にも、天地自然の原理は必要

◇「陰陽の原理」と「循環の原理」◇

天地自然の、あらゆる物に原理があり、一切の存在には必ず根源がある。
そのことを老子は「道」と呼びました。

原理や根源を掴めば、どんな物事も安定して運ぶことが可能になります。
例えば、実在は二極で成り立っているという「陰陽の原理」があります。
これを知っていれば、何事に対してもバランスを重視し、二元共生を図れるようになります。

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No.114 もう大丈夫だから気にしないで、きっと上手くいくから安心して

◇道徳には「裁き」が、宗教には「許し」が働く◇

己(おのれ)を律することと、何が正しいかを教える道徳。自分を超越したものを信じ、感謝や祈りの念の大切さを説く宗教。両者は「人の道」を教えるものとして、概ね近い関係にあると思われています。ところが、微妙な違いがあります。

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No.113 大国は世界平和のカギを握っている

◇胃癌が恐くて、胃の切除を願い出た人◇

筆者が東洋医学の学生であったとき、教授から「胃癌が恐くて胃の切除を願い出た人がいた」という笑い話を聞きました。確かに胃を取ってしまえば、一生胃癌にはなりません。でも、消化機能が衰えて体が弱まりますし、食道や腸など他の臓器に負担が及びます。体全体からしたら、全く問題解決になっていないのです。

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No.112 大国は、徳で以て小国に恩恵を与えよ

◇大国が生まれるところ、小国に適したところ◇

自然風土や地理的環境によって、大国が繰り返し生まれるところと、成長しても小国に限定されるところがあります。広々した大陸なら大きな国の、小さな島なら小さな国の誕生に適しており、場所に応じた規模というものが自ずとあるのです。

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No.111 小国を安心させるのが、大国の役割

◇大国は下に位置することで、天下を集めることが可能になる◇

立場が上がるほど謙虚になり、表面的な覇気が消えていく。その半面、何とも言えぬ渋い味わい、玄妙にして内から滲み出るような氣力が漲(みなぎ)ってくる。それが道家の理想とする人物像です。

人間ばかりではありません。国家にも「格」というものがあります。
人格ならぬ「国格」で、これが上がるほど、小国に対してへりくだるようでなければならぬと老子は諭します。

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No.110 まず、大国からへりくだれ

◇求心力がなくなると無秩序状態になる◇

人は一人では生きられません。生活するには必ず仲間が必要です。
人が集まればイエ(家)やムラ(村)などの共同体となり、さらに大きくなればクニ(国)となります。

国家は悪であるという考え方があります。外に向かっては国家同士が相争い、内に対しては人民を苦しめて止まないのが国家権力であると。いっそのこと、国家を消滅させることが、平和と安心への道になるだろうという見解です。マルクス主義者や、無政府主義者が唱えた国家観がそうでした。

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No.109 相手を凌ごうという気持ちでは、言葉が低念子になってしまう

◇自分の念子レベルの高さが問われている◇

「鬼神の威力が失われたわけではないのだが、人を傷付けなくなる」という老子の言葉は、神霊の働きや現象が無くなるわけではないが、自然体でいれば傷付けられなくなる。だから、決して恐れないようにという意味でした。

そして「鬼神が人を傷付けないばかりか、聖人もまた人を傷付けない」と。
聖人は非常に立派な人のことで、鬼神と聖人を同列に論じるというのは少々乱暴な気もします。が、どちらも自分の(こちらの)念子レベルを高くしていれば問題ないというのです。

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No.108 松下幸之助翁が祭っていた神様

◇宇宙の最初に意志があった◇

さて、一段と飛躍した話になりますが、筆者は宇宙全体が念子の集合体なのではないかと思っています。

宇宙を物質が広がったものと見るか、精神が及んだものと観るか。唯物論と唯心論の論争につながるこの問いは、将来の科学が究めねばならない重要テーマです。

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No.107 政治家・経営者が、歴史や人物に学ぶ理由

◇達人には、常人の力を超えた何かが備わっている◇

達人と念子の関係について、ここで改めて述べておきます。
達人には、常人の力を超えた何かが備わっており、通常その力は天分や天性に起因しております。

天分は生まれながらに備わっている、「天から頂いた我が持ち分」のことです。天性というのも同じことで、「天から受けた我が個性」のことです。

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No.106 死は終わりなのか、新たな始まりなのか

◇念子のヒモ◇

生きている間に為すべき一番の仕事。それは、可能な限り沢山のプラスの念子を残すということに尽きます。後に続く人たちにとって有益となる念子を、どれだけ放つことが出来るか。

プラスの念子が多いほど、死んだ後に残り続けることになるミタマやタマシヒ、つまり念子体が素晴らしいものになります。価値のある念子こそ、本当の意味の遺産ではないかと思います。

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