第9章 大日本の優越(だいにほんのゆうえつ、日本の何が優れているのか)
人に何かを教え、正しい方向に導くことを指導(しどう)といいます。指導するにあたって大事なことは、指導内容が本物であるということです。本物でなければ、確信(かくしん、しっかりと信じること)が生まれず、確信がなければ堂々(どうどう)と指導することができません。
第9章 大日本の優越(だいにほんのゆうえつ、日本の何が優れているのか)
人に何かを教え、正しい方向に導くことを指導(しどう)といいます。指導するにあたって大事なことは、指導内容が本物であるということです。本物でなければ、確信(かくしん、しっかりと信じること)が生まれず、確信がなければ堂々(どうどう)と指導することができません。
3 大日本主義の処(ところ)のみ栄ゆ(大日本主義に立っているところだけが栄えていく)
支那(しな、チャイナと同じで中国のこと)に『書経』という古典(こてん、昔の古い本)があります。その中に、「凡(およ)そ物あれば則(のり)あり」と記されています。そもそも物があれば、そこには必ず法則(ほうそく)があるという意味です。
どの国民も、それぞれ自分の国のために貢献し、自分の国を繁栄向上させています。それが、最高で最善の道徳であることを、もっと理解しなければなりません。
ここに、注意すべき点があります。それは属領(ぞくりょう)の民です。属領とは、その国に付属(ふぞく)した領土や、本国の支配下にある領土のことです。
次は愛国についてです。愛国も忠君と同じで、各国民が持っている自然な感情です。どの国民も自分の国のために結束し、一所懸命(いっしょけんめい)働いています。
新しい考え方を持っている「新人(しんじん)」と呼ばれる人たちの中には、国家を廃止し、世界全体を一つの国にしようと唱える者がいます。国際的な団体の中に、そういう運動があるようですが、それは大変間違った考え方です。
2 忠君愛国と諸外国(ちゅうくんあいこくとしょがいこく)
この頃、君主に忠義(ちゅうぎ)を尽(つ)くす精神や、国を愛する心が薄らいできました。忠君愛国(ちゅうくんあいこく)などと唱えると、とても古くさい者のように思われてしまいます。でも、古いと決めつけてしまうのは、むしろ浅薄(せんぱく、浅くて薄っぺらなようす)なことだと言わねばなりません。※「この頃」というのは、今から90年くらい前のことです。
第7章 汎世界主義(はんせかいしゅぎ、世界に通用する広大な精神)
これまで述べてきたことによって、大日本主義がどういうものなのかについて、皆さんはよく理解されたことと思います。日本に立ち位置があり、祖国の原点に根ざした生き方をするのが大日本主義です。それと同時(どうじ)に、世界のどこに出しても偏(かたよ)ることのない、広大な精神でもあることにも気付かれたはずです。
3 国民と君本主義(国民が歩む堂々とした大道が君本主義)
◆社員なら社長の志、市民なら市長の志を受け止めてみよう!
~世の中の多くの人が、民本主義と君本主義を誤解している~
君本主義の意義(いぎ)を正しく理解しますと、君本主義は我が国民性であることがよく分かってきます。国民が歩む堂々とした大道(だいどう)が君本主義です。
今の世の中は、偽物(にせもの)の愛国者、偽物の国士(こくし、その国の優れた人物)が多いようです。本物と偽物を選(よ)り分けなければいけませんが、どうやって判別(はんべつ、違いをよく見て区別すること)したらいいでしょうか。
2 忠孝(ちゅうこう)を本とし反逆(はんぎゃく)を赦(ゆる)さず(忠義と孝行を基本とし、反乱を起こして逆(さか)らうようなことがあってはなりません)
◆無私の心で命懸となって励むのが忠孝の生き方
我が国は忠孝一本の国です。忠孝は、忠義と孝行のことです。これらを基本に、日本国は神代の昔から開(ひら)けてきました。
奈良時代の貴族に大伴家持(おおとものやかもち)という人がいました。歌人(かじん)として有名で、小倉百人一首(おぐらひゃくにんいっしゅ)の作者の一人でもあります(中納言家持)。