その30 聖徳太子の徹底

聖徳太子の「徹底」で、まず挙げるべきは「憲法十七条」の制定です。その内容は、仕事の指針と臣下の心得でした。とにかく仲良く和して勤めるよう、懇切丁寧に諭しています。

それから「冠位十二階」の制度があります。これは、優秀な人材を見出し、本人一代に限って身分を上げて登用するための制度です。そのような仕組みを作った理由は、身分の高い層に優秀な者が少なく、身分の低い層に俊才が存在するようになっていたところにあると考えられます。社会秩序が入れ替わる過渡期には、そういう現象がよく起こります。そこで聖徳太子は、門閥を打破し、優れた者を積極採用出来るよう、この制度を定めたのです。

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その29 統一国家の建設に本氣となった聖徳太子

それから、もう一つの本氣が「統一国家の建設」です。豪族による私地・私民の奪い合い、蘇我氏と物部氏の対立による内乱、さらに崇峻天皇の暗殺によって、皇室の権威は地に落ちていました。

内外に危機を抱える中、太子は日本のミナカである天皇の権威を何としても復活させたいと願い、合わせて大陸や半島の国々に負けない統一国家の建設を志しました。そこで「憲法十七条」の第三条に「詔を受けては必ず謹め」と二度も記し、天皇のお言葉(詔)を受けたら必ず受け入れるよう人々に促したのです。

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その28 大国の隋に対して、対等外交を行った聖徳太子の本氣

◆聖徳太子の大局

聖徳太子の当時、世界情勢を最も大局的に掴んでいたのは、ほかならぬ太子自身でした。大陸には、久し振りの統一王朝である隋が誕生しています。朝鮮半島では新羅が強くなり、高句麗は隋と対立状態にありました。

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その26 言ったことを本当にやる人かどうかを見分けるポイント

信用出来る人かどうか、言い換えれば、言ったことを本当にやる人かどうかを見分けるポイントについて述べましょう。その第一は、「今出来る事をやる人かどうか」です。どんな大きな事業も、小さな事の積み重ねによって成り立っています。それは、今出来る事を疎かにしない姿勢によって進められていきます。

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その25 成果が生まれない理由に、英知の不足がある

「原大本徹」のもう一つは徹底です。徹底は、人生の大木の「枝葉」にあたります。本氣の「幹」から枝葉が豊かに繁るよう、知恵を使い工夫を施しましょう。

ここまで述べてきたことに従って、原点を確立し、大局の範囲を広げ、本氣の志を立てたというのに、なかなか成果が生まれないということがあります。その場合、知恵や工夫が不十分であるかも知れません。良い物・良いアイデア・良い仕組み・良い人というだけでは、まだダメで、世に広まっていく英知が足りないのです。

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その24 能力が平凡でも、志に集中すれば大きな成果を上げられる

中国思想の大家も、志の大切さを教えていました。孟子は「志は氣の帥」と述べ、志があれば身中から氣が、どんどん引き起こされるということを教えました。また、王陽明は「志立たざれば天下に成るべきの事なし」と説いて、あらゆる成功は立志の結果であるということを明らかにしました。義を尊ぶ孟子の思想は、とても情熱的であり、知行合一を説く陽明学は、東洋思想の中で一番の行動哲学です。

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その23 「どや、君らなあ、志はもう立ったか」松下幸之助

続いて、「原大本徹」の本氣について述べます。松下幸之助は、松下政経塾生に「君、それ本氣か」と問い掛けました。何事も本氣なら実るが、中途半端では実るはずのものも実らないで終わってしまうという指導です。

本氣の「本」は、木の根もとを表している漢字です。原点である「種」から芽を出し、地上にしっかりそびえ立つ大木の、その根もとが「本」です。

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その22 ちょっと待ったぁ! そのケンカ、俺が預かったぁ!

次に、原点・大局・本氣・徹底、略して「原大本徹」の大局について述べます。大局は「人生の大木」の「根」にあたります。根はセンサーとも言え、根の届いているところまで「我が事」の範囲と広がります。根に触れることに対して、放っておけない、見捨てるわけにはいかないという意識が起こることになるのです。

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その21 表層の原点、深層の原点、そして新規の原点

そして、原点は何層かあるのが普通です。先に述べたように、「自分の原点はこれだ」とすんなり答えられたからといって、それで原点を確実に掴めたかというと、決してそうではありません。原点は数層あり、表層だけ見えたからといって安心するわけにはいかないのです。

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