その61 戦いの火蓋(ひぶた)が切られる前の駆け引きが重要!

孫子は「先に戦地に到着して敵を待てば楽だが、後から戦地に到着して戦いに向かうと苦労する」と述べました。何事であれ、先に到着すれば有利なポジションを取れます。戦闘であれば尚更で、先着して敵よりも高い位置に布陣すれば、下(くだ)りながら勢いを付けて攻撃することが出来るのだから断然有利となります。

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その60 早く着けば場の雰囲気に馴染み、主導権を握れる!

現場には先に到着せよということですが、式典や会議、講演会や勉強会など何かのイベントに参加するときも、開始ぎりぎりに会場入りするのではなく、少し早めに到着することを習慣にしたいものです。早く着けば気持ちに余裕が生まれますし、主催者や他に参加者と挨拶を交わす時間が取れます。また、その場の雰囲気に早く馴染み、会場の空氣を主導することも出来ますから、会合参加が一層自分にとって充実した一時(ひととき)となります。

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その59 現場には先に到着し、後から相手が来るのを待て!

先にも述べた通り、先手準備は勝利の基本です。何事も早めに準備することを習慣にすれば、直前になって慌てることが少なくなり、落ち着いて事に当たることが出来るようになります。

反対に、後手に回ることが増えるほど、足元しか見られなくなります。大局を見失って部分に囚われ、抜けやミスが多くなっていきます。そこへまた新しい問題が舞い込んでくるのですから、ストレス満載となり、酷(ひど)ければ毎日がパニック状態となるでしょう。

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その58 同志と力を合わせ、「維新回天の勢い」を起こすべきときは今!

こうして『孫子』兵勢篇では、「勢い」を起こすことの重要性を学びました。その最後に示されたポイントが2点あり、一つは自軍を一丸にまとめ、丸太や丸い石のような勢いを持たせよということ、もう一つは、それをよく転がる状況に置けということでした。

個々がよく繋(つな)がるネット社会の今日にあっても、事業活動であれ社会運動であれ、その時時(ときどき)の個人的な関係に頼った散発的な動きのままでは、世の中を大きく変える「勢い」を起こすことは困難です。

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その57 志士ネットワークの限界と、高杉晋作が英雄と呼ばれる理由

では、『孫子』兵勢篇の締め括りを解説しましょう。戦争は一丸となって行われる集団戦であり、個人同士のケンカとは全然違います。勝敗を決めるのは常に集団の「勢い」にあり、巧みな将軍は「勝利を勢いに求めて(個々の)兵士には求め」ません。「そこで、きっぱりと(個々の)兵士を捨てて勢いに任せ」ます。

「兵士を捨てる」という表現はただ事ではありませんが、要するに個人戦から脱出せよということです。ケンカ慣れした戦闘意欲満々な一部の兵士に頼るのではなく、部隊編成と指揮系統を整え、軍隊全体が一丸となることによって発生する「勢いに任せよ」というわけです。

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その56 有機的な活動体として一丸になって、天下国家の変革を成し遂げよ!

先に、サロンとパーティの違いについて述べました。単なる勉強会はサロン、世の中に大きな影響を与えられる活動体はパーティであり、両者は全然違います。前者は同学・同好の者が集う場に過ぎず、何かを催しても大交流会的なイベントで終わります。それに対して後者は、同志団結の勢いを持ち、集会を開催すれば天下を動かす国民運動大会と化します。

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その55 無駄が無くて一丸、そこに勝利の基本がある

軍隊が、よく治まるかどうか。それは部隊編成にかかっています。部隊編成の原文は「分数」で、兵士の人数とその編成を指します。それが整っていれば、兵士が個々バラバラに乱れることはありません。

兵士が勇敢であるかどうか。それは戦力の勢いにかかっています。勢いは攻撃の速さや、チャンスを逃さない集中力が左右します。速さと集中力があれば、集団そのものに勢いが備わり、兵士が怖じ気づくということはありません。

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その54 衰亡の芽は好調なときに生ずる

両軍がぶつかり合う戦闘では、双方の兵士が入り乱れていき、敵味方の見分けが付きにくくなってしまう場合があります。しかし、そのままではいけません。個々バラバラな戦いにならないよう注意し、とにかく味方を分散させないことです。こちらの隊形が崩れさえしなければ、決して負けることは無いのです。

会社も同じです。社員一人一人が任された業務を全うするのは当然として、それと同時に、自分の部署だけでなく会社全体をよく理解し、社員一丸となって連携出来る環境を創らねばなりません。単なる個人戦の寄せ集めではなく、組織として戦える集団的結束力を起こせということです。

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その53 もつれて乱れたままではいけない

先にも述べましたが、戦闘というものは兵士が個々バラバラに戦っているようでダメで、部隊編成や指揮系統によって、統一された集団戦とならないと勝利を収めることは出来ません。それは、現代の経営や社会活動にも通用する大事な心得だと思われます。

《孫子・兵勢篇その四》
「もつれて紛れ乱(みだ)れた戦いになっても、乱したままではいけない。はっきりせず見分けの付かないほどの状態となっても、隊形を丸くまとめるよう努め、敗れることがあってはならない。

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その52 漢字の「氣」は、大和言葉では「ミ」や「ヒ」に相当

なお、日本人は「氣にするな」とか「氣のせいだよ」などと口にし、氣という漢字をハッキリしないものを表すときに用いていると述べました。それに対し、「氣」は実在するエネルギーであるとするのが中国人の考え方なのですが、日本人にこのエネルギーに関する考え方が無かったのかというと決してそうではありません。

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