◇「仁」にもレベルがある◇
儒家思想における一番のキーワードは、何と言っても「仁」です。仁は、人を表す「イ」と「二」が組み合わさった会意文字で、人が二人いることを意味しています。二人というのは自分と相手のことで、「明確な相手のために自分が何を出来るか」を問い掛けている漢字が仁なのです。
◇「仁」にもレベルがある◇
儒家思想における一番のキーワードは、何と言っても「仁」です。仁は、人を表す「イ」と「二」が組み合わさった会意文字で、人が二人いることを意味しています。二人というのは自分と相手のことで、「明確な相手のために自分が何を出来るか」を問い掛けている漢字が仁なのです。
◇天徳の道家、人徳の儒家◇
「先天の徳」は、老子の言う「樸」、つまり荒木にあたるものです。私たちが元々持っている個性や天性、天分がその内容で、これが道家(老子などの教え)の徳の意味となります。
◇徳・仁・義・礼の順で下がっていく◇
何も為さないのに、何でも為していく。爪先立った欲が無くて静かでいるから、天下は自然に定まることになる。そういう内容を前章で学びました。続く第三十八章には、「徳」「仁」「義」「礼」などの中国思想のキーワードによって、無為自然の「道」の尊さが説かれています。
◇少し落ち着くと、たちまち志を失ってしまう◇
人間の気持ちには、本当にあてにならないところがあります。名利や作為の欲望を超え、無為自然の生き方に一度は目覚めたとしても、少し落ち着くとたちまち志を失ってしまうことがあります。飽きやすく、冷めやすく、気が付けば目の前の欲得に心を奪われ、小さくまとまってしまう自分がいるのです。
◇否定の否定による肯定◇
為さないから為さない事がないというのは、否定の否定によって肯定を導いていく論法です。「手を加えないことで一切を行っていく」という意味なのですが、こういうあり方の例はいろいろあるでしょう。(あれこれ細かく)教えないから(自分で学ぶことになって)教えられない事がないとか、(安易に薬で)治そうとしないから(自然治癒力が働いて)治らないことがないといったことです。
◇必要なときに、必要な人や物や機会に恵まれてしまう◇ 人生の達人と呼ばれる人がいます。特に意図しなくても、物事が上手く運ぶ人のことです。彼は、「これをしなければ」「あれをやらなければ」という作為の意志を超えて生きています …
◇反対の事をすると目的が叶う◇
縮めたいなら逆に張って(伸ばして)やれ、弱めたいなら逆に強めてやれ、廃したいなら逆に興してやれ、奪いたいなら逆に与えてやれという、反対のことを勧める真意を解説してまいりました。相手を器以上に剛強な状態に導いてやれば、「陽極まれば陰に転ず」という波動盛衰の働きによって、一旦は膨張するものの、必ず縮小廃絶の方向へ向かう。そういう事象は、確かによく起こります。