宇宙には、我々を生かす力があり、ヨガではそれをプラナといいます。漢字では「氣」、大和言葉では「み」、「ひ」、「みいつ(御稜威)」、「なほひ(直霊)」などが、プラナに相当する言葉であると考えます。
プラナは、宇宙に遍満(へんまん)する根源的要素(超微粒子であるとともにエネルギー)のことです。「人間はこのプラナを、空気、食物、水、土、日光から吸収し」使用することで生きています。
そして、よりよく生きられるよう生命力を高めるには、「プラナを自己化する方法を知」る必要があり、「プラナの自己化のことをプラナ・ヤマと」言います。それを沖正弘導師は、次のように教えています。
「ヨガでは、人間が生きているのは、生かす力(エネルギー・生命素)が宇宙に働いていて、この生かす力を人間が吸収しているから、生きているのだと説いている。この生かす力のことをヨガではプラナ(Prana)と名付けている。
プラナは宇宙のすみずみまで充満して存在するもので、人間はこのプラナを、空気、食物、水、土、日光から吸収することができる。人間が生きて、動き、考えているのは、このプラナを使用しているからである。
われわれがよりよく生きる、つまりわれわれが強い生命力を持つためには、よりよきプラナを自己化する方法を知らなければならない。このプラナの自己化のことをプラナ・ヤマ(Prana Yama)という。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房pp.99-100.)
筆者が沖導師に惹かれる理由は、沖ヨガが、波風を立てない単なる安定や、小さくまとまってしまうだけの静寂(せいじゃく)を求めているのとは、全然違うというところにあります。
まだ気付いていない可能性や、自己に秘められている底力を、思う存分引き出し養うことによって、誰もが今より成長し、その道の上手(じょうず)や達人になるべきです。
そのために、プラナをしっかり吸収し、生命力を高めましょう。そして、表層意識が作っている手枷足枷(てかえあしかせ)を外し、思考の限界を超え、飛躍的な行動を起こしていこうではありませんか。(続く)