其の百二十二 行動こそ本音~何事にも大きく変化を起こさねばならないときがある…

ヨガは実践の教えであり密教そのものです。実践してはじめて価値を生む政治も、本質的には密教と言えます。

政治活動において実践を促すため、筆者は弟子たちに「行動こそ本音である」と説いてきました。

「答は行動で出していく」という在り方が、さらに政治家に浸透すれば、政治家は密教者近似していくことになるでしょう。実践と行動という密教的姿勢によって、世界の真実を掴んでいくのですから。

さて、実践・行動において、「一つの事」を継続する姿勢はとても重要な要素です。が、「一つの事」を貫くためには、綜合的見地と綜合的取り組みが必要になることを忘れてはなりません。

「一つの事」を進めようとした場合、簡単にその「一つの事」だけでは展開・解決せず、周囲のいろいろな物事に関連させないと上手くいかない事が多いものです。その原因は、ある「一つの事」が、いろいろな関係性で成り立っていることにあります。

そこで、関係性を明らかにする必要性に迫られますが、その上で必要になるのが、部分に囚われない綜合的見地です。また、取り組みにおいても綜合的に進めていかないと、バランスが崩れて空中分解しかねません。

綜合的に観ながら、バランスを取っていく。そこに、人生や経営、あるいは政治において、それらを的確に進めていく上での心得があるという次第です。

なお、何事にも大きく変化を起こさねばならないときがあります。

そのときは、一旦バランスが壊れることを恐れず、意識と行動を大変化に集中させて取り組むことになります。大きなショックの後、次代の基盤が生成され、そこに新しいバランスが生じ、次の安定が起こっていくのです。