其の百十七 自分に宿されている力を、将来を切り開く可能性として信じよ!

「自信」は、腹底深いところに、どっしりと据えられているものです。浮ついた「乗りの良さ」は、単なる過信か慢心でしかありません。

自信は簡単には身に付きませんが、自信があるのと無いのとでは人生に大きな差が出ます。だから、誰だって自信を養いたいはずです。沖正弘先生は、次のように語ります。

「また、自分の力の可能性を信じるだけの自信をもつことが必要である。自信を持つには自ら進んで積極的に物事を理解し、体験して自分の力を発揮して、次第についてきた自信を潜在意識化するまで繰返して行くだけの努力をつづけねばならぬ。このためには嫌だと思ったり、不可能だと思ったり、おそろしいと思ったりしたことに進んで体当たりして、自分の力を発揮しつづけて自分の潜在意識に可能性を納得させることが必要である。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房94頁)

自信は、文字通り「自分を信じること」です。自分に宿されている力を、将来を切り開く可能性として信ずるのです。そのために、まず取り組もうとしている物事の意味(何のため・誰のためかという原点)を積極的に理解しましょう。次に、それに基づいて体験(実践)を積み重ねつつ、自分に内在する力を徐々に引き出して(発揮させて)いきます。

そうすれば、だんだん自信が付いてきます。それを、潜在意識化するまで繰り返し努力しましょう。

しかし、その過程で「嫌だと思ったり、不可能だと思ったり、おそろしいと思ったり」する事に出会います。そのときの一踏ん張りが肝腎です。それらに対して「進んで体当たりし」、自らに与えられている天分(天から与えられた天性や持ち分)を発揮し続ければ、自己の潜在意識自体が、その「可能性を納得」することになるというのです。

繰返し努力を続け、自信を養いながら、「自分で自分を説得せよ」というわけですね。(続く)