其の百十六 自分の内部には力がある、という自覚を持とう!

これから具体的に何をするのか? それは一体誰のため・何のためか? 
その原点は何か? これらのことを鮮明に描きましょう。
そして、それは決して自分個人の欲や満足のためではなく、公益のため・大義のための取り組みであることが肝要です。

以上が鮮明になれば、希望達成の可能性が各段に高まります。心願成就へ向けての力の注ぎ所が明確になり、いっそう熱意を集中させられます。また、苦労の意味も分かり、困難を乗り越えていく根氣が養われます。そこで、沖正弘先生が語ります。

「希望達成の力となる信念を強化することができれば、成功への道疑いなしである。

信念を強くするためには、自分の内部に力がある、という自覚を持つことがまず必要である。人間が生きているのは宇宙の力が内在しているからであって、自分の力を勝手に束縛したり、限定したりすることは大きな間違いである。

宇宙力の自分の内に内在していることを自覚したならば、この力を喚び起し、更にこの自覚が潜在意識化するまで、常時思考作用や行動の中で積極的に働かせなければならない。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房94頁)

志や目標を立てたら「信念を強化するために」、「自分の内部には力がある、という自覚を持つことが必要」とのことです。そもそも「人間が生きているのは宇宙の力が内在しているからであ」り、自分を卑下し、自分で自分を束縛し、可能性を限定するような愚かな在り方は「大きな間違い」なのです。

この大宇宙と自己の関係性の自覚と一体化こそ、東洋人が目指す自己確立の主柱です。

自己を宇宙大に広げ、無我となり大我となったとき、小さな自分を超える力が内部から巻き起こります。その神人合一の自覚を潜在意識にまで深めるため、日々学問と修養に励み、毎日祈りや瞑想に努めるわけです。そうすれば思考が整って迷いが減り、さらに行動が積極化することでしょう。(続く)