其の百十三 潜在意識は宇宙とつながり、見えない世界からのメッセージを受け取る…

潜在意識とは、第一にいろいろな習慣が自己化されたものであり、第二に「先祖代々の遺伝と後天的な体験の集積」されたものであると沖導師は教えます。
そういう深いところにある意識ですから、何氣(なにげ)なく決めているような場合でも、実は潜在意識が「われわれの判断力の基礎となって」おります。

そして、表面にある顕在意識に対するときのような抑えが利き難い分、「時間、空間に制限されること」が無く、潜在意識はいつでもどこでも働きます。また、時間の経過とともに薄れることが少なく、「過去、現在、未来に交渉を持って」おります。

そういう性質によって、潜在意識は「宇宙(霊・神)につながり、六感、直観、インスピレーションなど」を統括するもとにもなるというわけです。

沖導師は、さらに次のように述べます。
「潜在意識は物事を実現して生体の働きを支配し、宇宙とつながる働きをなすもので、声なき声を聞くことや発明とか、発見とか、創作とかはこの意識の作用である。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房93頁)

潜在意識は、物事を実現させ、生体を支配し、宇宙とつながり、見えない世界からのメッセージを受け取り、発明・発見・創作に働くとのことです。

即ち、健康にも、自己確立にも、成功にも、幸福にも、あらゆる面に亘って大切になるのが、この潜在意識の活用です。それをよく働かせるにはコツがあり、くつろぎや弛緩が必要になると説かれます。

「また潜在意識は体内に潜んでいるものであるから、意識して、緊張している時は働きが弱く、くつろいで、無意識のときに最もよく働きを現わすものである。くつろぐことと意識に邪魔をさせない練習が必要で、これがヨガ行法の吸息法、呼吸法、瞑想法などである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房93頁)

日常のいろいろな事に囚われ、心が何かに引っ掛かり、心配が生じて緊張しているようなときは、潜在意識の働きが弱くなります。あるいは、マイナスの潜在意識が働いて、出来ない方、ダメな方、諦める方を選んでしまうこともあります。

では、如何にしてくつろぐかです。また、コロコロ変わる顕在意識に邪魔をさせないかです。そこに、「ヨガ行法の吸息法、呼吸法、瞑想法など」があるとのことです。(続く)