自己暗示によって積極観念を養い、内部意識の中に潜む消極心を一掃する。
それが、成功への道となります。内部意識は潜在意識ともいい、我々の在り方を左右します。
「潜在意識は個性的で選択せずに何でも受取り、それを具象化する働きを持っているから、この意識が恐怖を持てば恐怖心が表面に現われ、勇気を持てばそれが表面に現われて勇気のある行動をとる。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房93頁)
潜在意識というものは個性的で、その領域から何が現れるかは人によって違います。潜在意識は、そこに入って来る“刺激”を選択することなくそのまま受け取り、「それを具象化する働きを持ってい」ると。
表面にある顕在意識であれば、どれを受取り、どれを捨てるかという篩い(ふるい)が働きますが、深い潜在意識になると、知らぬうちに“侵入”を許してしまうのでしょう。
その結果、潜在意識に届いた刺激によって恐怖心が生ずれば、そのまま恐怖心が表面に現れます。反対に勇氣が生ずれば、「それが表面に現われて勇気のある行動をとる」ことになるわけです。
潜在意識はとても重要です。時間的に深く、空間的に広いところにつながっていて、直観や霊感の元ともなると沖導師は述べます。
「潜在意識は習慣的なものが自己化したもので、先祖代々の遺伝と後天的な体験の集積であって、われわれの判断力の基礎となるのである。従って時間、空間に制限されることなく、過去、現在、未来に交渉を持っているから宇宙(霊・神)につながり、六感、直観、インスピレーションなどはこの意識の司るところである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房93頁)
この潜在意識を、積極的な生き方が出来る方に変え、さらに強化するには、まず「意識すること」から入らねばなりません。(続く)