其の三十九 じたばたせず、こちらに勢いが掛かってくるタイミングを待て!

勝負事において忘れてならないのが、目に見えない「勢い」という存在です。勢いが相手に掛かっているときは、何をやっても裏目に出てしまい、どうあがいても勝てないことが多いものです。

ところが潮の流れ一転し、勢いが自分のほうに掛かってくると、今度は勝利へ向かってまっしぐらとなります。そういう流れの変化に当たることが、賭け事にもあるという話が第百二十六段に出ています。

当然のこと、勢いが相手に掛かっているときに、焦ってじたばたするのは禁物です。仕事や活動も同様で、原点を見失わないよう腰を据えて重心を下げ、同志を募って今出来る準備を整え、やがてこちらに勢いが掛かってくるタイミングを待つのが心得となります。

自分の取り組みが本当に世の中に必要な事ならば、いつか必ず時代が追い付いて来て、それまでの努力が実を結ぶことになります。その日を信じ、決して諦めてはなりません。いよいよその時が到来したら、一気に攻めるのみです!

《徒然草:第百二十六段》
「博打(ばくち)で、すっかり負けてしまい、残りの金を全部つぎ込もうという状況に出会ったら、もうそこで打つのは止めよ。

やがて形勢が変われば、続けて勝てる時に至るということを知っておくべきだ。その時機を知る者を、上手な博打打ちというのであると、ある者が語っていた。」

※原文のキーワード
すっかり負けてしまい…「負けきはまりて」、残りの金を全部つぎ込もうという状況に出会ったら…「残りなく打ち入れんとせんにあひては」、打つのは止めよ…「打つべからず」、やがて形勢が変われば…「立ちかへり」(続く)