志を立てるときに…

こんにちは。明後日の11日(金)、京都メキキの会で25周年記念講演を務めます。翌12日(土)は、東京綜學院(第3期)2月例会で老子について講義します。

◆日記(6日~7日)
・6日(日)京都綜學院で講義~文明法則史学による「今後の世界」予測
・7日(月)昼間は綜學社京都研修所で掃除と執筆、そして武道稽古。
夜は、神戸・今啓林綜學会で講義~世界の動き、論語、孫子「地形篇」

【ご案内】2月15日開始の、やまとことば古事記語り部:言本師養成講座
(第三期)に、1名様のキャンセルが発生しましたので追加募集いたします。
詳しくはホームページをご覧くださいませ(8月からの第4期も受付中です)。
peraichi.com/landing_pages/view/kataribe/

☆新著を上梓しました!
『国是からはじまる新しい日本』
今、日本に一番必要なのは国家目標となる国是だ!
博進堂 1980円(税込)

まえがきより
「本書は、林英臣による短編の随筆・評論集です。世界の動きや日本の情勢、それらの予測、あるいは大切な歴史や文化、味わい深い東洋・日本思想、さらに孫ネタなど身近な話題に至るまで、内容は多岐に渡っています。

その中で、特に本書後編で力を入れて述べておりますのが「国是」についての提言です。国是とは、長期的な国家目標や国家ビジョンのことです。

明治時代には「文明開化」「富国強兵」「殖産興業」という、近代国家建設のための国家目標がありました。これらは概ね明治が終わる頃までに為し遂げられ、以後、国家としての方向性というものが失われます。そして、大正時代の一時の爛熟を経て後、昭和に入って緊張が高まり、とうとう敗戦に至って、我が国は米軍による占領下に置かれました。

人も国家も、目標を失うと崩れていきます。戦後の日本も、焼け跡からの経済復興という一種の国是によって繁栄を取り戻しましたが、80年代からバブル期にかけて享楽に酔い痴れて目標を失うと、社会心理はすっかり閉塞感に覆われ、失われた30年とも言われる長い衰亡期を歩むことになりました。

今、日本に一番必要なのは国家目標となる国是です。それも、40~50年程度で消え失せるような疑似国是ではなく、国家百年の計ともなる骨太の国是でなければ用をなしません。

私はそれを「共生文明の創造」「高徳国家の建設」「公益経済の確立」という「国是三綱領」にまとめ、長年に亘って啓蒙に努めてきました。それらを要約すれば、左記の通りです。

一、共生文明の創造~21世紀は東西文明の交代期。東洋・西洋両文明の長所が融合された新文明を創造し、地球と人類の進化を導く

二、高徳国家の建設~お互い様・お陰様の心によって人間の意識レベルを向上させ、生き易い世の中を建設し、国家の徳も高める

三、公益経済の確立~私益膨張の掠奪型資本主義から、理念性の高い公益資本主義への転換を図り、豊かさの偏らない社会を確立する

アフターコロナに向かって、これから新しい日本の社会秩序が誕生すると予想します。それには、長期ビジョンとなる国是がどうしても必要です。本書に掲載された短編評論が、国是を考える上でのヒントになれば幸いです。 綜観 拝

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●評論・随筆●

◆志を立てるときに…◆

志を立てるときに、是非とも学んでおいて欲しいことがある。それは、世界の動きと日本の国柄だ。

世界の動きを知らないと、志に広さが生まれないし、日本の国柄が分からないと、志に深さというものが起こらない。

広さと深さ。それらを学びながら、自分の原点(人生の起原・起点)や、天分(天から与えられた我が持ち分)を確認しつつ、本氣の志、すなわち人生をかけて惜しくない志を立てよう!

広さと深さを伴い、原点や天分に適った志ならば、もう迷うことは無いはずだ。

そして、聞きたくなる声も、出会いたくなる人も、知りたくなる事も、自ずと変わっていくだろう。(2月5日)

◆軸を定め、器量を養うための学問が必要◆

気を付けないと、人間、忙しくなるほど小さくなる。目の前の細かい実務に追われていき、視野が狭まり、どんどん人間が小さくなってしまうのだ。

また、残念なことに、世に揉まれるほど意地汚くなる。駆け引きと損得勘定に右往左往し、いつのまにか人間が卑しくなっているのだ。

もしも自分がそうなりそうなら、本来の自分を取り戻し、どっしり構えるための大きな学問が必要となる。軸を定め、器量を養うための綜合学問が必要というわけで、それが皆さんに学んでいただいている綜學である。(2月6日)

◆戦う前に、あらかじめ勝っておけ!◆

同期生は気が置けない。要するに、気にしないでいられる間柄がいい。

昨日の神戸の講座に、松下政経塾同期(第一期)の中川暢三氏(元加西市長)がご参加。会えばたちまち、松下幸之助塾長に学んでいた頃にタイムスリップしてしまう。

私は、孫子の兵法から、勝利の可よりも、不可を見抜くことの大切さを伝えた。可と不可(可能と不可能)は、どちらから考えても同じと思われがちだが全然違う。

可能性だけを見ていると、どうしても気持ちが高揚してきて全体が観えなくなる。が、不可能を冷静に観察していれば、敵(相手)の狙いや、世の中の思い(社会心理)が読めてきて、足元をすくわれたり、上滑りしたりということを避けられる。

このことは、臆病の勧めとは全然異なる。むしろ、真の強さの基本だ。

中川氏をはじめ、縁ある皆さんには、是非とも選挙に勝って欲しい。勝つための心得は、次の一言に尽きる。戦う前に、あらかじめ勝っておけ!そこに、兵法の極意があるのだ。