【提言】人類はどこへ向かうのか、日本をどう甦らせるのか… 政治家は国民によく示して欲しい!

◇国家のために命を捧げて何ら惜しくないという、腹の据わった人物を選ぼう!◇

自民党と公明党の連立が解消され、不安定な多党化時代を迎えたことが報道されています。各政党の、どことどこが肩を組んだら議席数がいくつになるとかいった、数合わせの予想が、かまびすしく打ち出されています。

誰もが目前の政局に目を奪われているのですが、こういうときこそ世界の大局から目を逸らさないことが肝要です。文明の大局において、現在(21世紀)は東西文明の交代期にあり、西(欧米)の文明は衰退し、東(アジア)の文明が興隆しながら主役が交代します。

その約100年間の文明交代期中、2025年~2050年が最激変期になるという予測が、文明法則史学を大系化された村山節氏によって、今から35年前に出されました(1990村山節『文明の交代について』叶匠寿庵p.23.)。筆者も、この35年前の村山氏の見通しに基づき、いずれやってくる世界の激動と人類の危機について、繰り返し警鐘を鳴らしてきました。

掲げている信条や政策を考慮すれば、次の首相に相応しいのは高市早苗氏だと考えます。しかし、誰がやっても不安定な政局が続くでしょうから、年末年始頃に総選挙が実施される可能性があります。

各政党と候補者の皆さんには、混迷する今こそ「文明の大局」に立脚した理念を養って、未来を引き寄せる政策を打ち出して欲しいものです。票を投ずる有権者国民は、その中から最もマコトに生き、国家のために大事な命を捧げても何ら惜しくないという、腹の据わった人物を選びましょう!

◇日本を守るのは日本人しかいない、他国の人が日本を守ってくれるはずがない…◇

さて、日本の周辺諸国であるロシア、中国、北朝鮮は、常に日本の向こうにいるアメリカを見ております。日本に対して歩み寄る姿勢をみせる場合もありますが、それはアメリカを牽制するために日本を必要としているときです。戦後80年間、日本は事実上アメリカの属国として、半独立状態で存在してきたのですから、それは仕方の無いことでしょう。

今を去る80年前、我が国は大東亜戦争に敗れました。いかに戦に大義を見出したところで、敗戦の後遺症を払拭することは能わず、そのダメージはボディブローのように効き続けている有り様です。

世界は最激変期に突入し、変化が一段と加速しています。東西文明の「主役の交代」が進み、間もなく「アメリカ資本制の社会秩序」は終了点を迎えようとしています。その反面、ロシアや中国が強権国家として存在感を強めております。

では、アメリカが衰亡し、中ロの台頭が脅威となった今、外交においてどういう心得が必要となるのでしょうか。それは、前者には「もう今までのように言いなりにはならない」ということであり、後者には「圧力に屈せず侵されない」ということでしょう。言いなりはダメであり、侵されてもダメ、というわけです。

そもそも、日本を守るのは日本人しかいません。特別な理由が無い限り、他国の人が日本を守ってくれるはずがありません。

そして、近隣諸国に生じた争いに巻き込まれないことも重要です。特に朝鮮半島内に朝鮮人同士の内乱が生じ、韓国から日本に援軍要請がある場合が要注意です。アメリカは自衛隊の出動を求めてくるでしょうが、自衛隊は北朝鮮の後ろ盾の中国やロシアとも対峙することになります。アメリカに中ロと戦う力が無い場合、いざ戦闘となれば、その惨害は日本亡国へとつながりかねません。

日本は、食糧、資源、エネルギーなど全てに亘って、一時的な“鎖国状態”を乗り切るための準備が必要となるでしょう。「日本の自立確保」こそ、国民を守るため、各政党が第一に掲げるべき政策だと思います。

◇文明の交代と日本の激動に対して、対応可能な政権を興して欲しい…◇

激変期の中で、日本はどうなるのか。世界と同様に、日本も旧体制が終わります。世界も日本も大きく変わるのです。それは、単なる“政権交代劇”で収まるような転換ではありません。大化改新、鎌倉武家政権の誕生、織田信長の上洛、明治維新などに匹敵する、新しい歴史の扉を開くべきときに我々は立っています! すなわち「新日本SS」の誕生に他なりません。
※SS(ソーシャルシステム)は、政治・経済・文化が一まとまりになった社会秩序のこと
こうした文明の交代と日本の激動に対して、対応可能な政権を興して欲しいのです。各党派は、文明の大局と日本の使命から、政治を論じてください。政治家は、それぞれ確固たる見識と大志をお持ちください。名誉と保身のためにしか生きられない人間は御免です!

とにかく、欧米のグローバリズムに操られてしまったり、また中ロなどの強権国家に翻弄されてしまったりしているだけの政治勢力では、国益を損なうばかりで日本の自立を導けません。

また各政党は、日本国の政党であることからブレないでいただきたい。日本には日本の歴史と伝統があり、固有の国柄(国体)があります。その中心である皇位は、男系男子による継承によって維持されてきました。

日本国の中心無くして、日本国の統一力は起きません。中心の無い寄せ集めは野合であって、活動力のあるまとまった有機体にはならず、危機に当たって何の役にも立ちません。

いつの時代も危機が訪れたとき、人生イコール国家という自覚のもと、日本のために命を懸けた志士・志民たちの尽力によって、祖国は守られてきました。
我々も、この時代の担い手であることを自覚し、天分(天からいただいた持ち分)を生かしつつ天命(天から受けた使命)に生きましょう!

◇資源略奪・膨張拡大型の資本主義経済そのものが、既に限界を迎えている…◇

それから経済政策について。給付や減税などいろいろ発案されていますが、なかなか特効薬とはならず、「焼け石に水」ともなりがちです。率直に言えば、何をやっても上手くいかないのが現下の経済状況です。

行き詰まりの根本的理由は、資源略奪・膨張拡大型の資本主義経済そのものが、既に限界を迎えているところにあります。資本主義は素晴らしい制度であり、これまで各国の資本主義SSの経済面を支えてきました。しかし、ここ3世紀の経済原理として機能した後、文明の転換と共に終焉のときを迎えていると判断しています。

現在、世界の経済状況は、格差が広がる中で、それぞれが「富の残り汁」を啜り合っている状態にあります。次の経済原理が見えていないのです。次の経済に「公益経済」が入ることは間違いないのですが、「公益経済」と唱えただけで、直ちに国民生活を救えるわけではありません。

経済状態を「景氣」とも言います。「景」は日の光、「氣」はエネルギーですから、景氣は太陽光のような元氣な力のことです。景氣は、人びとの活氣が起こすものであり、それは国に目標があるときに引き起こされます(松下幸之助)。
政治が、単なる数合わせの政権取りゲームに終始するようでは、必要な景氣を起こしようがありません。

文明交代期を超え、次の「共生文明」を創造すること。私利私欲が渦巻く低次元の世の中から次元上昇し、公利公欲の「高徳国家」を建設すること。略奪膨張資本主義を超え、互恵繁栄の「公益経済」を確立すること。これらを国是(国家目標)に、党派を超えて中心力・統一力を発揮する政治を始めて欲しいのです。

これから人類はどこへ向かうべきか、日本をどう甦らせるかについて、国民に具体的に、ちゃんと示してください。善良な国民は、決して苦労を厭いません。
厭うのは、苦労の意味が分からない事に対してです。「ああ、そのためなら心から応援する、一緒に日本のために顔晴れる、世界の発展のために生きていける…」。
そう感じさせてくれる政治を、首相指名選挙を機に示してくださることを心から期待いたします。 (令和7年10月12日)