取り組んでいる事柄を一つに集中させるための「一束統合」入門

こんにちは。浜松は暑くて風が強いです!

◆陰暦(本暦)六月を、水無月(みなづき)と言います。
日照り続きで水無しの月だから水無月なのだと。本暦では昨日から、その水無月に入りました。早くも梅雨が明け、正真正銘の水無月がやって来そうです!

◆高野山大学大学院1年生:学習ご報告
1科目目「密教学概論」のレポート(4千字×4本)を提出し、ギリギリ合格!大学院論文の体裁に不慣れなため、研究方法や既述様式について沢山指導を頂戴しました。100点満点の「優」は当然ゼロ、「良」が2つ、「可」が2つでした。

続いて2科目目の「密教史概説」のレポート(4千字×4本)を、間もなく提出する予定です。それから3科目目の「仏教要論」1(仏陀の伝記)と、「仏教要論」2(初期仏教入門)の、テキスト&参考文献15冊の読破が始まります。大学院が、こんなに大変だとは知りませんでした! 頭が筋肉痛です!

◆日記(23日~25日)
・23日(木)「やまとことば國學の世界観」でオンライン講義~ハジメ(始終)
・25日(土)林塾第17期「政治家天命講座」東北講座で講義~中国思想概論

◆以前ご報告した父への治療ですが、私に替わって専門家が隔日で往診治療してくれるようになりました。やはり現役の専門家は違います。足腰の痛みが消え、杖を付きながらですが、なんとか歩けるようになってくれました。感謝合掌

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●評論・随筆●

◆取り組んでいる事柄を一つに集中させるための「一束統合」入門◆

あれもやりたいし、これもやめられない。いろいろ関わりたい事が増えていく中で、そのまま多方面に手を広げていくと、結局どれも中途半端なままで終わりかねません。そういうときの解決策として、自分が関わっている種々の事柄を整理し統合するための手法をご紹介します。それが綜學(綜合學)の実践法の中にある「一束(いっそく)統合」です。

私の例でお話ししましょう。私はこれまで、下記の学問や修行に努めてきました。
(A)大和言葉~一音一音の音義を研究し、それを古事記の研究に用い、日本思想を探究
(B)文明法則史学~東西文明が800年周期で交代、21世紀は世界史激変の転換期
(C)東洋思想~儒家・道家・法家・兵家などを綜合的に学び、実学にまとめる
(D)政治学~松下政経塾第一期生として、若い頃は政治家を志す…
(E)武道~唯一の趣味、空手三段・合氣道三段・居合道三段・杖道二段・柔道初段など

これらの中で(A)大和言葉(B)文明法則史学(C)東洋思想の三者が、数十年に亘って講義してきた内容です。とにかく講師が仕事であり、これら一通りの内容充実に一所懸命でした。三者とも日本を変え世界を救う上で必須なり!という確信を持って研究と講義に努めてきたわけですが、なぜか私の中にモヤモヤした気持ちが湧いてなりませんでした。

それは、(A)を講義しているときは(B)と(C)が中断したままとなり、(B)を研究しているときは(A)と(C)を忘れているという状態への焦りでした。そうかといって(A)(B)(C)全部に関わっていると、全てが中途半端になってしまうし…と。

それがあるとき、スッと解消したのです。そうだ、これらを知情意にあてはめてみよう。世界と日本のこれからを知るのが文明法則史学、日本の心と日本人の情を養うのが大和言葉、何のため誰のためにどう生きるかという意を定めていくのが東洋思想。これで知情意にまとまり、三者は三位一体の学問になると。それ以来、モヤモヤ感は雲散霧消しました。

私はこの知情意の学問を「綜學」と名付けることにし、それによって一束統合が成り立ったのです。一束は一つに束(たば)ねること、統合は統(す)べ合わせることです。

その後、文明法則史学の基礎研究は服部匡成氏にお任せすることにしました。また(D)の政治学→政治家を目指すということについては潔く諦めました。回りに林よりも政治家に向く人たちが現れたことや、そもそも自分は政治家に向いていないということなどから止めた次第です。この任せることや止めることも、一束統合を進める上で重要な心得です。

その際、必ず原点(人生の種)に照らしつつ、どうするべきかを慎重に判断しましょう。

それから武道ですが、ご縁によっていろいろな武道を体験しました。立ち技・寝技・関節技・打撃技など、結果的にこれも「綜學の体得」に繋がりました。心身の管理に運動が必要であり、私はそれを唯一の趣味である武道で実践している次第です。

こうして大和言葉と文明法則史学と東洋思想は知情意に統合し、その中の文明法則史学研究は向いた人に任せ、政治(学)は仲間や弟子たちに託し、武道は個人的な趣味として続けているのが今の状況です。それぞれが、相互に他の役に立っているところが面白いです。

一つに絞る一点突破は、勢いの集中のために必須です。でも、必ずしも一つの手段だけ選び、他は全部捨てるという方法ばかりが絞り方ではありません。意味や理念として一束に統合するという手法があるということも、よく知っておいていただきたいと思います。(6月28日 月総研レポート第62号より)

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現在、8月からの第4期生を募集しております。ただいま残席2名様です。
詳しくはホームページをご覧くださいませ。
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