フェイクニュースとインフォデミック

こんばんは。東京から浜松に帰りました。新幹線ひかり号は、かなり乗客数が戻っています。このまま感染の第6波が来ないことを心から祈ります。
明後日4日から、名古屋綜學院、京都綜學院、神戸今啓林綜學会の3連戦です。

◆日記(11月30日~12月1日)
・30日(火)国会綜學勉強会(第59回)で葉隠武士道・其の四を講義。総選挙後、初の開催。新しい参加者を迎え、益々超党派による切磋琢磨の場に!
・1日(水)午前、空手道松濤會本部道場で稽古。午後、日本文化の作家であるデュラン・れい子氏から取材を受ける。夜は経世志塾で講義~孫子兵法第5回。

【お誘い】やまとことば語り部「言本師」養成講座・第3期生募集!
古事記の中で一番大事な内容が書かれているのが、その冒頭部分です。「天地はじめてひらけしとき」から始まる最初のところに、「宇宙の生成」と「地球の成立」と「人類の誕生」が描かれ、壮大な宇宙論や人間に与えられた大使命が明記されています。

それらは御神名で示されておりますが、従来その大和言葉の意味が分かり難かったために、さらっと流して解説されることが殆どでした。大和言葉の一音一音には、それぞれ意味があります。それを修得することで冒頭部分を正しく解釈し、神代さながらの語り部となっていただき、同時に語り部を育てるお立場にも就いていただくところに本講座の目的があります。

来年2月からはじまる語り部養成講座・第3期に3名様分の空席が生じましたので、ここにご案内申し上げます。お申込は下記フォームからお願いいたします。
form.run/@kataribeyousei3?fbclid=IwAR1j_76-rY6exYXC7YZqOtgv0QfOVbC2Zus3DPXVW1VHjon6KAKrdkA4Bz8

【お誘い】一般社団法人「綜學社やまとことば語り部養成協会」は、お陰様で設立一周年となりました。そこで、下記の通り記念祝賀会を開催します! 
日時:令和4年1月23日(日)、会場:京都ホテルオークラ

日本最古の歴史書である古事記の冒頭部分には、とても重要な「宇宙の生成」、「地球の成立」、「人類の誕生」が描かれており、 人間に与えられた大使命が明記されています。

この素晴らしさを多くの方々にお伝えすることが、日本の発展と人類の進化に繋がります。それを、当協会が認定致しました言本師、言伝師の方々が、熱意を込めて広めてくださっております。

この度、一般社団法人綜學社やまとことば語り部養成協会を設立し、お陰様で一周年となりました。皆様に感謝申し上げ、親交を深め、今後の活動をさらに進めてまいりたく存じます。また、言本師への表彰式も行います。

ご多用の所、大変恐縮ではございますが、大和言葉と古事記の啓蒙活動に関心をお持ちの皆様に、ぜひともご参加賜りたくお誘い申し上げます。お会いできますことを心から楽しみにしております。何卒よろしくお願いいたします。

日 時 令和 4年 1 月 23日(日) 午前11時 ~ 午後2時
(受付開始 午前 10時 30 分)
会 場 京都ホテルオークラ( 京都市中京区河原町御池)
地下鉄東西線「京都市役所前駅」直結
公式サイト www.hotel.kyoto/okura/

会 費 1 万円 ( 消費税込、食事代含 )※会費は当日受付でお支払いください。
定 員 50名(先着順)
お申込み form.run/@1syuunen
一般社団法人綜學社やまとことば語り部養成協会

●評論・随筆●

◆フェイクニュースとインフォデミック◆

皆でタレントを騙したり、タレントが一般人を驚かしたりするテレビ番組がある。サプライズの仕掛けで感動させるようになっているから見ていて面白い。そういう罪のない嘘なら良いが、ネット上で拡散されるフェイクニュース(虚偽の情報)は、多くの人が迷惑を被る社会問題となっている。いわゆる陰謀論もそれで、まるで感染症のようにデマが大量に発生する現象はインフォデミック(インフォメーション+エピデミック)とも呼ばれる。

なぜフェイクニュースに騙されるのかについて、日経新聞に次のような記事が出ていた。「人はもともとニセ情報に弱いのです。情報を都合よく錯覚する心のくせ「認知バイアス」があって、SNSではデマやウソが増殖しやすいことが分かってきました。意見を発信するとそれに似た情報ばかりが返ってくる「エコーチェンバー」という現象も原因の一つと考えられています。」(令和3年10月18日付日経新聞夕刊「フェイクニュースどう防ぐ?」より)

一人一人に主体的な思考力や判断力が備わっているはずなのに、それが大衆心理というものになると単純な結論に酔い易くなり、極論であっても「ああ、そうだったのか!」とスッキリする人が一定数存在するということなのだろう。とりわけ社会問題に対して怒りや不安を抱いている者ほど、それに関連したニュースに無防備に“感染”してしまうのだ。

では、どうフェイクニュースに対応するか。それは、噂(うわさ)をすぐに信じないで、まず事実を確かめる。うっかりデマに乗せられたり、軽はずみに一緒になってデマ拡散の片棒を担いだりしないということに尽きるが、そのために綜學の観察法である「全体を観る」「核心を掴む」「流れを読む」を生かしていただきたい。

まず全体を観、偏った情報に惑わされないよう注意しよう。善悪二元論だけで片付けないことが肝腎で、一部分が悪ければ全部をダメと決め付け、あるいは一部分に賛成したら無防備に全部を受け入れてしまうといった愚を避けたい。人も物事も、この自分も、善悪織り成す存在であるということを忘れてはならない。一段高い所に立って、反対意見にも耳を傾け、それが出される意味や意図を推理し、常に全体にとってどうなのかを考えたい。

特に、部分を繋いだだけの意見や、辻褄合わせしただけの議論に注意が要る。以前、日本語と某国語の「似た言葉」をいくつか拾い上げ、だから両国は繋がっているという論文が出されたが、今は全く聞かない。似た言葉を並べて提示されると、なるほどそうかも知れないと思えてしまうが、全然違う言葉のほうが超絶的に多いという事実を見忘れたら困る。何らかの因果関係を疑う際も、関わりのある集団と無関係の集団を比較し、その現象(結果)の差を正確に調べてこそ、はじめて検証の名に値することになるのである。

それから、「核心を掴む」ことが重要だ。フェイクニュースの出所こそ、まさに核心であり、それを出来るだけ調べ、信憑性の有無を冷静に確認したい。世界的に広がった情報であっても、僅か数人が仕掛け人ということもあるというから恐ろしい。

さらに「流れを読む」ことで時間軸を長く取ろう。このまま上昇するのみとか、いつまでも下降する一方ということはまずない。活動には変化があり、変化は循環となって現れる。大きな流れ読み取ることで、デマによる表面の渦に溺れないよう心掛けたいものである。(政経倶楽部・日本政経連合総研 総研レポート第55号)