名声を好み、汚名を嫌う…

こんにちは。暑い日が続きます。夏バテで体調を崩さないよう注意しましょう!

◆日記(8月17日~19日)
・17日(土)東京綜學院で講義~中国思想概論。「串団子ワーク」指導(9名)
・18日(日)8月18日が「やまとことばの日」に制定され、お祝いの会に参加

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◆「孫子の兵法」が読み易いnoteに!
戦争は国の重大事。国民の生死が決まるところであり、国家存亡の分かれ道でもある。だから、しっかり考えねばならない。現在、その25まで配信!
note.com/hayashi_hideomi/n/n43f5576a501d

◆こちらもnoteです!
【徳の政治(徳治)】を求めた天照大御神
~仲間同士で争い合っていてはいけない~『大國民讀本』を読む(15)
note.com/hayashi_hideomi/n/n539accbbb7fb

◆YouTube「心身一如の綜医學」
物と心は一つ
体と心も一つ
分けないことで、何が見えてくるか?
心身一如で見えてくる綜医學…

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●評論・随筆●

◆名声を好み、汚名を嫌う…(8月16日)

「立派で素晴らしい指導者だ!」という名声を好み、「私利私欲に生きただけの悪者だ!」という汚名(おめい)を嫌う。
そこにチャイナにおける、悪政を抑え、王道を導く“抑止力”がある。

チャイナは、「記録(歴史)」をとても好む国だ。
皇帝の側に記録官がいて、一人は皇帝の発言を、もう一人は行動を記録する。

それを、皇帝は決して見てはいけない。見ることを許されるのは後世の者であり、後世の者たちから悪く言われないよう、皇帝は善政に励むことになる。

(現在の)チャイナを嫌う人が多いし、その理由も分かる。
しかし、常に悪政だらけだったわけではない。

基本的に「王道の善政」を心掛けてきたからこそ、数百年続く王朝を、何度も興すことが出来たと言えよう。

また、屈原(くつげん)、劉備玄徳や諸葛孔明、岳飛(がくひ)など、日本人が尊敬する高徳の人物が、中国史から輩出されたのである。

名声を好み、汚名を嫌うという在り方は、まさに王道政治の基本である。

◆相手が名誉を欲しがっている場合、次のように語り掛けてみる(8月17日)

王道外交の心得は、相手の名誉や名声を立てるところにある。
間違っても、面子(めんつ)を壊すようなことをして怒りを買い、付け入る隙(理由)を与えてはならない。

相手が名誉を欲しがっている場合、次のように語り掛けるのも一つのやり方だろう。

「あなたは大国の指導者です。権力・金力など多くの力を手に入れたあなたにとって、まだ足りないのは名誉や名声ではありませんか。

それらを手に入れるには、周辺国をただ威圧的に抑え付けるのではなく、王者の徳によって自然になびかせるべきです。そうすれば、周辺国はその姿勢に感動し、あなたを誉め称えることになるでしょう。歴史にその美名を残すことになるのは当然のことです。」

この言葉でどこまで打ち解けるかは、やってみなければ分からない。
だが、全く効果無しということもあるまい。

◆天下に対して、あなたの器量の大きさを示してはいかが…(8月18日)

相手が名誉を欲しがっている場合、どう語り掛けるか、その続き。

「また、国内に酷い悪口を言う人がいたとしても、すぐ排除するのは如何(いかが)なものでしょうか。弾圧するばかりが統治の方法ではありません。

ぐっと堪(こら)えて受け入れることも、天下に対してあなたの器量の大きさを示す道です。名君の誉れは、そこから益々高まることでしょう!」

名誉を好み、汚名を嫌う。
そこを踏まえるところに、東洋外交の心得があるのである。

◆人の心には隙間がある…(8月19日)

外交は人がやるもの。人がやる以上、いくら国を背負っているとは言え、実際は指導者個人の意識が強く働く。まさに外交は心理戦であり、デリケートな人間心理が交錯する場となる。

そもそも、トップは孤独である。
たくさん文句を言われる割には、なかなか誉めてもらえない。

人の心には隙間(淋しさ)がある。
一言、誉めて(認めて)もらえたら、それで救われるのが人情の細やかさだ。

だから、外交は人間通でなければ、全うできないということを知っておこう。