感化力を高める~仕事や活動を発展させる上で必要となる影響力を磨く

こんばんは。昨晩は国会綜學勉強会(第68回)でした。「幕末志士三千人の師・佐藤一斎に学ぶ」の初回として、『言志録』其の一の講義をしました。

内容は、まさに人間学を基本とする「経世の実学」です。政治家に最も必要となる学問ですが、なかなか学ぶ機会が少ないのが実情だそうです。

その中で、身辺の整理(閑事の整理)の心得を述べました。それは「やめる」「譲る」「任せる」です。

すなわち、原点から外れてきたらやめる、やりたいという人(自分よりも熱意のある人)が現れたら譲る、その事に相応しい人が育ってきたら任せるという次第です。

そうして、自分が本当にやりたい事、自分にしか出来ない事に集中せよと。それには、「人と同じ事をしない」という姿勢が必要になることも述べました。

◆来週は神戸で講座があります! どうぞお運びくださいませ。
☆今啓林綜學会(神戸)3月6日(月)午後6時半~9時
・世界と日本の最新情勢解説~日本政経連合総研レポート最新号等より
・じっくり味わい、人生の骨格を養う「論語」講座
・孫子の兵法・「用間篇」スパイの活用による情報収集の基本 他
会場:神戸一宮神社 社務所
参加費:ビジター3000円 ※直接お越しいただいても大丈夫です。

●評論・随筆●

◆感化力を高める~仕事や活動を発展させる上で必要となる影響力を磨く◆

人を惹き付ける影響力のことを「感化力」と言います。感化力の強弱によって、動員力に天地の開きが生じます。感化力が低い場合として、いくつかのタイプが見られるようです。

・その第一は、ちやほやされたいだけという稚心が抜けきらないタイプです。
どうも自己本位で、世間から注目されることばかり願っている状態です。早く成功したいという願いは強いのですが、焦りもあって基盤づくりに伴う下積みの苦労を厭う傾向を持っています。

・第二は、ただ優しいだけというタイプです。善い人であり誠意と真心はあるのですが、元氣や覇氣に欠けており、残念なことに未だ人間的魅力が育っていないという状態です。

・第三は、夢や志が萎んでいるため、器が小さいままでいるというタイプです。人生を何に懸けるかについて、今までさほど真剣に考えたことが無いのが原因だと思われます。

これら以外にも種々のタイプが存在しているでしょうが、このままでは人は寄って来ません。人を集め、世間を(良い意味で)巻き込むことは不可能なままとなってしまいます。

では、感化力の高い人はどうでしょうか。普段の姿勢や態度によって、相手からどう思われているかを観察してみると、その理由が分かってきます。これも例を挙げてみます。

・第一は、相手のことを思うことによって、「いつも私のことを氣に掛けてくれている」とか、「私のことを分かってくれている」と感じさせてしまう姿勢や態度があります。そういう人がいたらいつでも逢いたいし、誘われたら最優先で参加してみたくなります。

・第二は、明るくて、こちらを元氣にさせてくれる姿勢や態度があります。基本的に元氣は、高いほうから低いほうへ伝播します。元氣いっぱいで感化力盛んなスターやアイドルに憧れ、ご贔屓(ひいき)を見付けては「推し活」に励むことになるのは当然のことです。

・第三は、素敵な夢や大きな志を持っていることによる、溌剌(はつらつ)とした姿勢や堂々たる態度があります。夢や志は、大抵それを誰かからいただきながら、自分の夢や志に移し取っているものです。感化力は、自分の夢や志を相手に渡す力でもあるわけです。

補足:「相手を思う」というのは、相手の不足を見、さらにそれを補ったときの成長まで見通した上でアドバイスしたり助けたりすることです。相手からすれば、タイミング良く助言して貰えたということになります。また、夢・志があって憧れられ、霊性が高くて畏れられ、その言行が心から尊敬されるということはカリスマの要件となります。

但し、感化力は自分中心的なままでいると、結局綻(ほころ)びが生じてしまいます。

そこで、感化力を高めるため、下記のように意識してみては如何でしょうか。

・第一に、仕事こそ自分の志であると再認識し、活動こそ天命と受け止めて本氣で取り組む!孟子が「志は氣の帥」と教えたように志は氣の元。何事も本氣の人には敵いません。

・第二に、よく学ぶ!学んだ知識量が基盤となり、奥行きのある話が出来るようになれば自ずと感化力が高まります。学びが浅くて狭いままだと、やはり感化力に限界が生じます。

・第三に、とにかく熱心に発信する!こちらから投げ掛けなければ、何も返って来ません。SNS、メルマガなど今すぐ実行出来る手段がいろいろあります。

兎に角、いま目の前にいる人にしっかり声を掛ける!目の前にいる人たちから輪を広げましょう。

どこに住み、どんな仕事をしていても、私たちには「日本を変え、世界を救う」という共通目標があります。日本に新しい社会秩序を誕生させ、東西共生文明を興すためにも、お互いもっと切磋琢磨し合い、さらに感化力に磨きを掛けていこうではありませんか!(政経倶楽部・日本政経連合総研 総研レポート第70号より)