◇真の君主や王者◇
天下に水よりも柔弱なものはなく、柔弱であることによって、水は何でも受け入れてしまいます。その何でも受け入れる性質によって、本当に勝つのは水であると老子は説きました。
◇天の道に反する状態◇
弓の高いところと低いところについて、高いところはその中央部、低いところは両端であると説明しました。別の解釈として、高いところは弓の上端、低いところは下端という説もあります。弦を張るとき、上端は縮め、下端は引き上げるからです。どちらの解釈も、言わんとすることは同じです。
◇高いものを抑え、低いものは上げる◇
弓矢というものは、弓の弾性によって矢を飛ばします。その反発力を高めるためには、弓の反り具合と、弦の張り方が重要になります。
◇富貴の者への注意◇
例え話は、説得力を高めます。例え話を聞かせて「ふんふん、なるほど。そういうことって確かに有るよね」と思わせたところへ本題を伝えますと、相手の心が開いた状態になっていますから、本当に言いたかったことがスッと入っていくことになります。
◇切符を買う窓口で、とんでもない対応に出くわす◇
JRがまだ国鉄と名乗っていた頃、切符を買う窓口で、とんでもない対応に出くわしたことがあります。関東のある新幹線が停車する駅の出来事ですが、窓口が2つあって、客がそれぞれ10人くらい並んでいました。
◇部門は部門の得点、個人は個人の成果のみを競い合う◇
頑な(かたくな)で融通の利かない組織があるかと思えば、生き生きしていて柔軟に対応してくれる組織もあります。前者は規則を守ること自体が目的化していて、自分の任務が何のためにあるのかという原点認識や、全体から観てどうなのかという大局観を忘れている可能性があります。
◇「適当」と「良い加減」◇
老いについても、老化を不安に思い過ぎないで、美しく老いることや、格好良く老(ふ)けることを意識したいものです。何事も、年齢に合った「適当」や、世代に相応しい「良い(いい)加減」な生き方があります。
◇誰もが王侯貴族の暮らしをしている現代文明◇
さて、現代文明を享受する先進国では、(余程の貧困層でない限り)大多数の人々が王侯貴族のような贅沢な暮らしをしております。
昔であれば、輿(こし)や馬車などの贅沢な乗り物を使えるのは、召使いのいる身分の高い人かお金持ちだけでした。それが、ガソリンエンジンが発明されてからというものの、自動車の使用が一般化し、誰もが大変便利な車を所有するようになったのです。
◇一度掴んだ利益や立場に執着し、手放すまい、失うまいとする◇
続いて老子は「人民が死を軽んずるのは、支配者の生への欲求が厚いからだ。それで死を軽んずることになる。生に作為しないことは、生を貴ぶよりも優れている」と語ります。
◇しゃしゃり出る社長に、嫌気が差して辞めていった社員◇
老子は「無為を為す」ことを尊びました。「無為」は為さないということですが、本当に何も為さないのかというとそうではありません。積極的に「為さないことを為す」のです。回りくどくて分かり難いかも知れませんが、その真意とするところを受け止めて下さい。