用兵の原則である「九変」の7番目は、「母国に帰ろうとしている敵を留めさせてはならない」という心得です。これから母国に帰ることになっている敵は、気持ちが先に帰郷しています。いわゆる里心が起きることで気弱になっているとも言えますが、反面、帰心に駆られて強くなってもいます。
この戦闘に勝てば、必ず故郷に帰れるという気持ちが、持てる力を振り絞らせます。それで、そういう帰国途上の敵の前に立ちふさがり、無理に押し留めてはいけないというわけです。また、どのみちいなくなる敵ですから、そのまま帰らせればいいとも言えましょう。