No.61 上に立つ者ほど、無私の心で人々を思う

武士の勢力が各地で争い合い、60年近くにわたって朝廷が二つに分かれて対立した、南北朝(なんぼくちょう)という時代がありました。その南朝最初の天皇となったのが後醍醐天皇(ごだいごてんのう)です。とても大変な時代でしたが、天皇は国民を思いやる御製(ぎょせい)を詠(よ)まれました。

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No.60 夜の寒さにも、国民を心配された後鳥羽天皇

仁徳天皇は、「君は国民が本」であり、「一人でも飢えたり凍(こご)えたりしていたら、ただちに反省(はんせい)」すると言われました。このご精神は、本当に民本主義そのものです。

そして、これは仁徳天皇お一人の御心(みこころ)ではありません。ご歴代(れきだい)の天皇が、祖先から受け継いだ日本国を守ろうとされ、国民を大御宝(おほ(お)みたから)と呼んで慈(いつく)しんで下さいました。

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No.57 力ずくの覇道、徳の王道、その上をいく皇道

1 ご神勅(しんちょく)と民本主義

すでに二度述べたように、天照大御神のご神勅(神様のお言葉)に次のようなお言葉がありました。

「葦(あし、水辺に生える草)が生い茂り、生き生きした稲穂(いなほ)が永遠に実る国こそ、私の子孫が王となる地です。我が孫よ、行って治めなさい。さあ行きなさい。天皇(てんのう)の位が受け継がれて栄えることは、天地と一緒で終わることがありません。」

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No.56 水のないところに水の問題が、食べ物のないところに食の問題が起こる

第6章 民本主義(みんぽんしゅぎ、国民が根本という考え方)

現在の世界は、民本主義という思想で成り立っています。民本主義は、国民を根本とする考え方のことです。

社会に新しく登場した新人(しんじん)は、この新しい思想に驚き、乗り遅れてはいけないと感じました。そして新人たちは、日本の思想界も民本主義にしなければならないと叫んでいます。

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No.55 心臓を健全にすれば、手足も全身も健康になる

そして、隣の国である支那(しな、チャイナと同じで中国のこと)をご覧ください。昔は立派な時代がありましたが、現在(大正時代頃)の支那は中心が定まらず、常に人民は、恐れと不安を感じながら生活している状態です。その原因は、中心に向かって一つにまとまっていないところにあります。

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No.54 個々に立派になるだけではダメ

さて、こういう意見もあるでしょう。「それぞれ個人が立派になって活躍すればいいだけのこと。そうすれば社会も国家も、結果として発展し充実(じゅうじつ、中身が満ちているようす)していく」と。この意見は、誤解(ごかい)を招きやすい言葉です。間違った考え方が、そこに流れております。

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No.53 中心確立によって全体が安定し、国民は幸福になっていく

中心確立と総幸福(中心をしっかり立てれば、みんなが幸せになる)

物質的なことも精神的なことも、安定しているほど悩みは小さくなり、人は幸せになっていきます。

では、安定するにはどうしたらいいかというと、やはり中心の確立が必要です。まず中心があって、それがしっかり立っており、さらに不動(ふどう)となれば全体が安定します。

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