治す力は元来自分が持っており、それを自然治癒力や免疫力と言います。
治す力を引き起こすためには、自分で自分に刺激を与えねばなりません。
体操やストレッチ、武道やスポーツなどで心身に刺激を与えつつ、言葉や呼吸、食事などを留意します。
そうしていろいろ取り組めば、結局「生活全般を治療時間とする」ということになります。生活の一部に健康法の時間を確保し、そのときだけちょっとやったら、それで今日の健康ノルマは終わりというのではなく、もう一日中、どこにいて何をしていても健康と治療の時間になっているということです。
つまり、鍛錬や稽古のときだけが健康のための時間というのではなく、立っていても歩いていても、仕事や作業をしていても、どんな場でも姿勢や呼吸に留意し、食事もその都度、可能な限り自分に必要な物を選んでいただくことになります。
そんなふうに、いついかなるときも健康のため「どうあるべきか」を考えていたら、あれこれ氣になって緊張し、心身が疲れて果ててしまうのではないかと心配するかもしれません。でも、全ては慣れと習慣化ですから心配ご無用です。
まず、続けられる体操やストレッチ、自分に合った武道やスポーツなどを選んで、それを日常生活に組み入れ、心身に刺激を与えられる時間を確保しましょう。
そして、姿勢や呼吸、食事です。顎を引くことや、肩の力を抜くこと、吐く息を長くして丹田で呼吸すること(密息)など、姿勢や呼吸に氣を付けます。食事も、季節に適した物を選択しつつ、野菜や豆類、海草などを多くします。
とにかく、いっぺんに理想を追うのではなく、今すぐ出来る事を意識して行うことが肝腎です。それが心地良いことであれば、次第に習慣化します。習慣化すれば、心身が統一します。やがて、病氣を忘れる時間が長くなることで、心が落ち着いてきて症状が緩解し、自然に治ることになるのです。(続く)