其の百二十七 長息、つまり長い息は、そのまま長生きに通じる…

長息、つまり長い息は、そのまま長生きに通じます。特に、吐く息を長くすることが大切です。祝詞奏上や読経、あるいは歌を歌うことは、いずれも吐く息が長くなって長生きの元になります。

「われわれの日常生活には、ヨガの呼吸法の一部が行われていることが非常に多い。例えば僧侶に長寿者が多いのは、僧侶はお経を読む時に、正しいお経の読み方をしていると、自然に吐く息が長くなり、下腹に力がはいって、ヨガの呼吸法にかなっているからである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房p.101.)

吐く息が長くなれば、腹圧が高まり、上半身の余分な力が抜けます。そして、副交感神経が刺激されて氣分が落ち着き、心身が統一されていきます。同様の働きが、笑いの呼吸にもあります。

「また「笑う門には福来る」と言われるが、笑う時には自然吐く息に力がはいって、横隔膜が上がり、下腹に力がはいって、ヨガ行法にかなった呼吸法となり、姿勢となるから、心が安定し、健康を増進し、朗かに幸福な生涯を送り得るようになるのである。

その他、長唄・詩吟・謡曲などの発声法はいずれも吐く息が自然に長く、深く、強くなってヨガの呼吸法にかなっているから、おのずから心も正しく、健康長寿の人が多いのである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房pp.101-102.)

「笑い」と「祓い」は、言葉として似ています。言葉が似ていれば、意味も似る場合が多いものです。よく笑えば、邪氣が祓われて幸せになると。

そういえば、知人の霊能者が笑いの効用を語っていました。古戦場などに行くと、そこで命を落とした人の無念が伝わって来て苦しくなるけれども、ジョークの一つでも言って笑うと、マイナスの想念がスッと消えて楽になるとのことです。

筆者は講義中、ときどきジョークを口にしては場を和ませるようにしています。それがお祓いになれば嬉しいのですが、すべって凍ってしまうのが辛いところです。(続く)