其の百十九 光明心によって、逆境も順境に転じてしまおう!

神人合一による、大安心の境地があります。

「この境地は大安心の境地である。万事に神意を見、すべてに味方を感じ、善と喜びのみを肯定しているのであるから拒んだり、おそれたりして心を乱すことはなく、決して悪(逆境)を認めないのである。認めた以上、それが必ず現われるものと確信している。暗夜にも光を見ることができ、一切の現象を善に到達する前提として、素直にしかも感謝して受けいれている。こうした光明心でいるから、逆境も順境に転じてしまうのである。」(1960沖正弘『ヨガ行法と哲学』霞ヶ関書房95頁)

天人合一や神人合一、梵我一如という、「見えない根源」と「自分」が強固に結ばれた境地があります。それは「大安心の境地であ」り、そこに至れば、あらゆる出来事に意味(神意)を感じ取り、全ては自分の味方であることを自覚します。

そして、今この時から「善と喜びのみ」が起こることを信じており、現象として生ずる事に対して、それを拒否せず、恐れて乱れることもありません。即ち、目の前に生ずる「悪」を逆境として認めないのです。

目の前に現れる逆境は、それを逆境として認めた(諦めた)ときから、益々「悪」と化します。だから、いかなる困難に出会うとも道は必ず開かれることを信じ、暗夜にも光りを感じ取り、「一切の現象を善に到達する前提」つまり試練と受け止め、素直に感謝しつつ、それを受け入れてまいります。

それが光明心であり、光明心によって「逆境も順境に転じてしまう」というわけです。

私の周囲にいる活躍している者たちを見ましても、苦労が無いから成功しているのではありません。むしろ、志を立ててがんばっている分、人の何倍も困難を与えられています。しかし、苦労や困難の「試練としての意味」が分かっていることによって、それら一つ一つを“生成発展への栄養”に変えて成長しているのです。(続く)