其の二十 毒という暗示を受ければ、ただの小麦粉や米粉も毒になってしまう…

さて、元来心身は一如ですから、同じ食物であっても「体の働きの整っている場合は栄養となり、乱れている場合は毒にも」なります。「体の働き」の中に精神状態が当然のこと含まれ、心が乱れると食欲不振による栄養不足に陥ったり、過食による栄養過多や消化不良に悩んだりします。

心の乱れと食事の関係について、筆者が憂いている事があります。食品添加物や遺伝子組み換えの問題が起きている今日、あれを食べてはいけない、これを飲んだらダメという“危険な食品”が多くなっています。どちらを向いても毒だらけであり、「飲食回避!」という警告や注意を真面目な者ほど真剣に受け入れてしまい、結果的に「毒に囲まれた食生活」に怯えながら暮らさざるを得なくなった人たちが増えているのです。

困ったことに、人間は他の動物以上に「心の動物」です。「これは毒だ」という暗示を受ければ、ただの小麦粉や米粉も毒になってしまうのですから、はじめから毒なら尚更です。要するに添加物などの毒性を、心の作用によってさらに増幅させてしまうのではないかというのが憂いなのです。

危ない添加物の情報を流すなと言っているのではありません。アトピーなどで長年苦しんでいる症状の、根本的原因が食品にある場合が多いのだそうですから、正しい情報は本当に必要です。そして、正しい知識を身に付けて、体に悪い添加物を避けていくのは大事なことです。

問題は、情報の受け入れ方によっては、食品全体に対して著しい恐怖心を抱いてしまうことです。そうして、食事によって「心の乱れ」が生じ、やがて病気を引き起こしてしまう原因ともなっていきます。

一切の問題食品を拒否し、完全に安全な食品のみ摂取するよう生活を変えれば解決するのですが、なかなかこれが難しいのです。レンジでチンはダメ、外国産は危険、コンビニの食品は添加物だらけ、パーティや懇親会で出されるオードブルも避けたほうがいいなどということになりますと、もう今の日本社会で気持ちよく飲食することはほぼ不可能となります。

では、どうしたらいいでしょうか。結論は、可能な限り良い物を摂取するよう努めるものの、いきなり完璧は求めないということかと思われます。コンビニで食品を買うときも、野菜ジュースや乳酸菌飲料をはじめ、自分にとって健康に良いと思う物を選ぶようにするだけでも違ってくるはずです。

また、運動で汗をかくなどして浄化力を高めますと、体内に入って来た不要な毒素を排泄することが出来ます。それから、「精神の作用」を生かすことで毒化を防ぐことも大事です。(続く)