人間も、会社も、国家も、生命体として発展することが大事であるというのが、昭和天皇のご進講役であった三上照夫氏の主張です。以下は、三上氏が衆議院会館で講演された際の内容です。
「国家という生命体が発展するにも、家庭や企業と同じく、体系化の三つの条件が必要であります。第一に中心人格を持つこと、第二に共通の基盤として上下本末を自覚したる社会を形成すること、第三に建国の理想を持ち、中心人格がそれを時に応じて、自らの名に於いて表明することです。」(2018宮崎貞行『天皇の国師 賢者三上照夫と日本の使命』きれい・ねっとp.309.)
有機的な活動をする組織には、必ず(基本的に)中心があります。生命体は高度の組成を持つ有機体であり、呼吸や心拍を統御する脳幹が、その中心的部位に相当します。心臓や丹田も重要ですが、生命維持にとっては、やはり脳幹が中心となります。
大和言葉の生命観では、生命の統一力を重んじます。それは、強力なナホヒ(直霊)であるイクタマ(生魂)が担うというのが河戸博詞先生の教えでした。
ナホヒは、認識上の最小単位としての超微粒子のことです。それは、宇宙の中心であるアマノミナカヌシの神と陽陰二神による造化の働き(造化の三神)によって、全宇宙に放射されています。
その中の最強のナホヒがイクタマで、生き生きと組んでいく力を持ったタマ(超微粒子)がイクタマです。それが宿る位置ですから、生命維持を行う脳幹が相応しいということになります。(イクタマの科学的研究は今後の課題です)。
そして、一個の有機体に中心は一つです。二つあったら別個の存在になってしまうのであり、人間(生命体)の中心は一個のイクタマです。
勿論、心臓や丹田も重要です。心臓を拳銃で撃たれたりしたら死んでしまいますが、それは血流が止まって酸素が脳に行かなくなるからです。丹田も重要で、丹田を中心に深い呼吸が行われ、身心が整って生命力が高まります。
でも、心拍(心臓の鼓動)や呼吸を司る中枢は脳幹なのだから、脳幹に位置する(と想定される)イクタマが最重要となります。
これが、国家生命体であれば、イクタマに当たるのがスメラミコト(天皇)です。イクタマの統合力のもと、経済(経世済民の働き)が血流・呼吸のように国家全体に循環作用し、国民生活が豊かに栄え、意識・霊性が向上し、伝統精神が継承され、国民文化が賑々(にぎにぎ)しく興隆すれば「世界で一番幸せな国」となります。
そして、それらの全体調和を図るのが、国家の丹田役である総理大臣です。国体のミナカは天皇であり、総理大臣はその補佐役なのです。(続く)