其の百九 宇宙や天から、大切な「声」が下りて来るようになる!

《徒然草:第二百十一段》其の二
「人間は天地の霊長である。天地には限りが無い。人間の本性は、どうして(この限りの無い天地)と異なることがあろうか。

寛大にして窮まることが無ければ、喜怒(哀楽の感情)も妨げとならず、(外界に存在する)物によって煩わされることも無くなるだろう。」

人間は天地万物の霊長です。天地さらに大宇宙は、限りが無いほど広大です。人間は万物の霊長なのですから、天地宇宙の性質としての広大さを、その本性としてはじめから与えられているはずです。

それゆえ、我々はその本性に気付きさえすれば、心が寛大になっていき、窮することが無くなります。そして、次第に喜怒哀楽の小さな感情に振り回されなくなり、外界からのつまらない影響がこちらに及んできても、いちいち妨げられたり、煩わされたりしなくなるでしょう。

人間は、地球は勿論のこと、大宇宙の進化に対して大きな責任を持っています。その責任を果たすためには、極めて広大であるところの天地宇宙の性質を、そのまま自分自身の本性に繋いでいけばいいわけです。

それを、東洋では梵我一如や天人合一などと呼んできました。そうなれば、宇宙や天から大切な「声」が下りて来るようになります。問題を打開するためのヒントが浮かんだり、独創的な閃(びらめ)きが湧いてきたりして、人類進化に必要な創造力が働くようになるのです。それを霊性の開発といい、霊性はあらゆる創造者が獲得・保持していた能力だと考えます。(続く)