「何が正しいか」を考え難い時代における「正しさ」のヒントとは…

善か悪か、賛成か反対か、といった二元論が世界を覆っています。その対立思考による分断化や、価値観の多様性などによって、「何が正しいか」が益々分かり難い世の中になってきています。そこで、「正しさ」を考えるときのヒントを、いくつか述べてみます。

身近な正しさを考えるときは、次の3点が尺度になるでしょう。

第一に、タイミングが合っているかどうかです。信号が青なら進む、赤なら止まるといったタイミングです。第二は、量が合っているかどうかです。薬や料理の塩は、量が少なくても多くてもいけません。第三は、場に合っているかどうかであり、冠婚葬祭時の服装などがその例で、「質」の問題とも言えます。

次に、時間軸を長く取ることによって、「正しさ」がより観えてきます。

何事であれ、長く続いているということは、価値があり必要とされてきたから残っているのであり、そこに「正しさ」を見出すことが可能となります。歴史や文化、伝統精神から外れていないかどうか。将来にとって必要な事かどうか、子孫に喜ばれる事かどうか、などについて考察してみましょう。

続いて、「全体から観て正しいかどうか」を考えることも大切です。

自分だけでなく、会社にとってどうか。会社だけでなく、地域や業界にとってどうか。地域だけでなく、日本にとってどうか。日本だけでなく、地球と人類にとってどうか。地球だけでなく、大宇宙の生成発展にとってどうか、などと常に一段高い所から観る習慣を身に付けたいものです。

そして、使命から「正しい生き方」を考えてみては如何でしょうか。

日本には「世界を発展させ人類を救う」という大使命があり、それに適っておれば日本人としての「正しい生き方」となります。地域には地域の使命があり、地域の「歴史と人物」を掘り起こすことによって、「正しい生き方」が観えてきます。会社には会社の使命があり、会社の「理念や目的」、社長の志を知ることによって、「正しい生き方」が観えてきます。

あるいは、家(○○家)には家の使命があり、ご先祖の生き様や子孫に残している思い(理想や無念)などを受け継ぐことによって、いっそう「正しい生き方」が観えてきます。自分には自分の使命があり、個性・資質・持ち分などを見直すことによって、我が天命(天からいただいた我が使命)に基づいた「正しい生き方」が観えてくるはずです。

さて、「正しさ」にはイメージがあると思います。明るい、輝く、素直、心地よい、快い、癒される、元氣、嬉しい、笑顔、役立つ、喜ばれる、救われる、助け合う、調子が合う、共存共栄、和(輪)、生成発展、進化向上、繁栄、マコト、などが正しさに近いでしょう。

もっと言えば、「正しさ」は宇宙の進化がお手本となります。宇宙が多様化・連係化・一体化しているとすれば、その方向に沿っているかどうかです。多様化して、いろいろな個性に満たされ、連係化して、いろいろな存在が互いに関係し合い、さらに一体化して、全体が一つのまとまりとなっておれば、それは「正しい姿」と呼べるのではないでしょうか。
(令和7年4月26日政経倶楽部連合会 総研レポート第96号より)