空(くう)や無(む)を、大和言葉の音義で解釈すると…

こんにちは。今日は終日、浜松事務所でデスクワークです。

◆日記(6月17日~19日)
・17日(火)実家の両親を見舞う。仏壇の曾祖父母・祖父母に般若心経を上げる
 綜医學講座などのWebサイトの作成についてオンライン会議
・18日(水)空手道松濤會本部道場で稽古。政経倶楽部東京・千葉合同例会講義
・19日(木)オンライン国学の世界観・第4期2回目の講義「マコト(哲理)」

【お知らせとご案内】
◆◆「政治家天命講座」を開催している「林英臣政経塾」のホームページが新しくなりました! どうぞ、写真だけでもご覧くださいませ。
hhskj.jp

◆「一緒に国手になろう!」
7分くらいの動画です、是非ともご覧くださいませ!
綜医學講座・第2回開催ご報告|ご受講生の声と林より皆様への言葉

◆今月の「綜医學講座」は、6月29日(日)です。
大坂・心斎橋で13時受付開始、13時半~16時半
綜医學「その基本となる考え方」三
☆心と体を分けない、心身一如~心の持ち方で病氣になる
☆循環と調和の原理を生かすながら健康を整える
☆肝・心・脾・肺・腎と感情(怒・喜・思・悲・恐)の関係とは
☆『古事記』に出てくる日本医学…

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※綜医學講座は、国家と国民に手当てをする「国手」を養成いたします!

◆note【孫子の兵法・その67】
敵軍は分散させ、自軍は集中させよ!
note.com/hayashi_hideomi/n/n42a3f38a45af

◆空(くう)や無(む)を、大和言葉の音義で解釈すると…◆

東京にお寺を持つ曹洞宗の和尚さんから、「空」や「無」の意味を、大和言葉によって説明して欲しいというご要望をいただきました。

空(くう)や無(む)は音読みですから、それ自体は大和言葉ではありません。でも「くう」「む」という言葉(発音)が、日本人の思考に大きな影響を与えてきたことは確かであり、これらを大和言葉で解釈することには少なからぬ意義があります。しっかりお答えするべきご質問であると受け止めましたので、私なりの文章でまとめてみます。

「空」や「無」は、日常的に目にする言葉です。「空」は空っぽ(からっぽ)、「無」は無いこと(虚無)ですが、その奥に深い意味があります。「空」とは何か、「無」とは何か。これらは、東洋思想(老荘思想や仏教思想)における重要な命題と言えます。

空っぽを意味する「空」は、実体の無いことを表します。存在する物事の、それ自体としての本質が無く、自分の本体であるところの「我(が)」も無いと。

なぜ実体が無いのかというと、あらゆるものは変化・活動しており、そもそも固定的なものは何一つ無いからです(無自性)。また、全ては関係性(因縁)によって生じており、一つひとつの関係性を外していけば、実体も本体も自体も、一切が無くなって空っぽになってしまいます。これも、実体が無いことの理由となります。

それから、「無」は何かというと、「有」に対する「相対的な無」と、有無を超えた「絶対的な無」があります。前者は「有るはずのものが無い」という無であり、後者は真実にして「不変の無の世界」という意味の無です。

これに対し、「ありのままに観る」ことを基本とする日本思想では、実体を空っぽとは認識しません。観念的な「絶対の無」や「不変の無の世界」といったものも考えず、この世界を「有の連続体」と捉えます。有(存在)が関わり合い、絡み合い、互いに影響し合い、照らし合うことによって成立しているのが大宇宙の真実であると観ているのです。大和言葉に基づく国学によって、そう理解しています。

そこで、空と無の「ク」「ウ」「ム」を、大和言葉の音義から解釈してみます。「ク」「ウ」「ム」の3音は、全てウ段の音です。ウ段の音(ウクスツヌ…)は口を閉じて発声するので、「内実」の意味が生じます。3音を詳しく説明すると下記のようになります。

ク…カ行のウ段。溜めた息を勢いよく出す破裂音のカ行音を、閉じるウ音で発声する。そのため、ク音は強固な結合を表す。くさび・組む・括る・クニなどがその例。

ウ…母音のウ段。息を最も奥に溜め込み、口を閉じ、息を出来るだけ外に出さないように発声する。そのため、ウ音は閉じる意味を持つ。内(うち)・うつむく・埋める・裏(うら)などがその例。

ム…マ行のウ段。唇を閉じた状態から、殆ど口を開けないままウ音を発声する。そのため、ム音は「内なる発酵」による生成・造化の意味を持つ。生す(産す)・蒸す・ムスヒ・村・群れなどがその例。

このような大和言葉の音義から解釈すると、空(くう)は「強く閉じて結合し、内部が充実している状態」のことであり、無(む)は「生成・造化の働きが内在している状態」のこととなります。

つまり、ク・ウ・ムの3音は、いずれもウ段の音であるがゆえに、内に閉じ、中に隠れている様子を表します。だから、外からは分かり難く、「空っぽ」で「無い」かのように見えてしまいますが、本当は中身が充実しているのです。

大和言葉の音義からすれば、単なる空っぽの「空」は無く、不変で絶対という観念的な「無」もありません。あらゆるものが生成・造化される「生命力に満ちた根源的状態」こそ、空や無の真意ということになるでしょう。

その真意を気付かせるには、表面的な現象に囚われがちな我執の心を一旦取り払わなければなりません。そのために空や無が説かれてきたとも考えられます。