その66 武士道の大成者と言われる山鹿素行は、まさに綜學の先達

武士道の大成者と言われる山鹿素行は、まさに綜學の先達です。21歳で兵学師範となるものの、素行にとって技術論的な兵学は一つの余技に過ぎません。素行は哲学思想を幅広く学び、その学問は神道・国学・国文学・儒学・老荘・禅仏など多方面に及びました。

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その65 後の時代になるほど、学者たちが小賢しく分類して分かり難くなる

本性(性)が発動して「意」になり、「意」が具体化して「情」が現れます。そして、これら性と意と情が合わさって「人の心」になるということを述べました。この説明で頭の中がスッキリ整理された人もいるでしょうが、何だか理屈っぽくて分かり難いと感じた人も多いことでしょう。

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その64 現代人には「意」と「情」が足りない

公と私、日常と非日常、刀と自分、生と死、これらを結ぶのが武士道だと言われたときに、読者の皆さんは一体どう感じるでしょうか。「なるほど、そうあるべきだ」と腑に落ちる人、「現代人の常識からすると理解し難い」と首をかしげる人、「そういう生き方がしたいものの、自分はそこまでは出来ない」と思う人など、いろいろな反応があって当然です。

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その63 4つの事を繋いでいたサムライの生き方

◆武士道と覚悟の人生◆

これまで綜學の知・情・意3本柱のうち、「知の文明法則史学」と「情の大和言葉」について解説しました。今度は「意の東洋思想」に移ります。東洋思想には、中国思想や仏教思想、日本思想などがありますが、ここでは武士道をもとにした日本思想を述べてまいります。

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その62 大和言葉こそ、日本思想を解くカギ

そもそも言葉は思想に他なりません。ある見方や感じ方、考え方や行い方があり、それを表現するために言葉が形成されます。固有の言葉は、それを話す民族・国民にとって大切な思想そのものと言えます。即ち、ある言葉が存在するということは、その言葉によって伝えたい思想があるということです。

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その61 日本語は、言葉そのものが神様なり!

まさに超古代の日本人にとって、一音一音が「感性の表現」でした。素直な驚きや感動の表現でもありました。

例えば、か音は、陰・風・霞む・空(から)など、奥深くてはっきりしないものを表します。し音は、滴(したた)る・雫(しづく)・潮(しほ)・清水・シーシーなど、水(みづ)とその流れを表します。す音は、透く・進む・鋭いなど、先鋭や突出した状態を表します。ひ音は、日・火・光るなど、エネルギーとそれが秀でる(日出でる)様子を表します。

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その60 日本語で育つと“日本人”になる

8月も半ばを過ぎると、夜は秋の虫たちが鳴き出します。その虫の音(ね)を聴いて、理由は分からないものの、しんみりと感傷にふけるのが日本人の心情です。

この感受性は人類共通のものかと思っていたら、さにあらず。どうやら日本人特有の感性らしいのです。虫の音を雑音として聴いてしまう外国人とは随分違うとのこと。

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その59 日本語の成り立ちの古さの証明

以上の通り、一音一音がキチンと発声されるということと、母音が明瞭であるということの、2つの特徴を強く残しているのが日本語です。

言語というものは、いきなり複雑な構造を持つということは考え難く、まず一音一音の発声から始まります。しかし、一音ずつでは表現が限定されます。そこで音を組み合わせて単語をつくり、形容詞や動詞が出来て文法が形成され、言語として組み立てられてまいります。

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その58 いわゆる「50音表」は、一音一音にイメージがあることを示している

母音の「あ」は開く(開明)、「い」は命(積極)、「う」は閉じる(閉塞)、「え」は枝分かれ(伸長)、「お」は大きい(偉大)という意味があるということを先に述べました。母音は子音の母体ですから、これらの意味は、各段の子音にも影響を与えます。ア段・イ段・ウ段・エ段・オ段、それぞれの段に共通した意味が現れるのです。それは次の通りです。

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その57 カ行音は溜めた息を強く出す。その意味は硬くて強い!

この5母音に、何らかの障害を加えると子音になります。ここから少々専門的な解説になりますので、発声の仕組みに興味が無い場合は、どうぞ読み飛ばして下さい。

カ行~ワ行の発声の仕組みは、次の通りです。

口腔の奥の部位(後舌面と軟口蓋の間)を絞り、溜めた息を強く出すとカ行音(軟口蓋音+破裂音)。上の前歯と舌先で調音し、摩擦させるとサ行音(歯音+摩擦音)。上の歯茎に舌先を当て、舌を離しながら溜めた息を強く出すとタ行音(歯茎音+破裂音、※「ち」と「つ」は摩擦も加わるので歯茎音+破擦音)。

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