その6 ナンバーワンの覇権大国になった向こうに、一体何があるのか

さて、21世紀の現代は、文明そのものが行き詰まっています。大量殺戮兵器の開発が示すように、皮肉にも人類が起こした文明によって、人類全体が亡びてしまうかも知れないほどの危機に陥っています。これを救うには、文明の原理から創り直す必要があります。それは、西欧中心の文明から、東西融合の共生文明への大転換に他なりません。

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その5 原点からタテイトが伸び、全体が一つにまとまる

綜學の「綜」には「まとめ集める」という意味があり、知情意それぞれの学問を一つにまとめて綜學と呼ぶことにした、というところまで述べました。

この「綜」の字源についてお話ししましょう。綜は、「糸」と「宗」の両方の意味が合わさった漢字(会意文字)です。糸と、それを一つにまとめることを表す宗が組み合わさって、綜の漢字となったのです。

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その3 現代志士を育てるための知情意の学問はこれだ!

文明法則史学は、人類全史を研究対象とするマクロの歴史学であり、全人類が参加することの出来る「共通の座標軸」であるとも言えます。この学問を確立されたのは、市井の大学者であった村山節(むらやまみさお)先生(1911~2002)です。

文明法則史学の結論は次の通りです。世界文明は大きく東西に分かれ、800年毎に周期交代する。東西文明の交代期約100年間は世界史激変の転換期となっており、今後の交代期は21世紀の今(1975頃~2075頃)である。

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その2 幕末志士を育てた知情意の学問

幕末志士の生き様を調べていくうちに、彼らを育てた教育が何だったのかを見極めたくなった。一体、何を学んで志士人物になったのかと。

幕末志士の学問は、朱子学や陽明学、素行学などの儒学、武士道、国学や神道、和歌の道、さらに蘭学や洋学に及んでいた。一流の志士ならば、濃淡の濃さこそあれ、これらを一通り学んでいた。

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【綜學】現代文明の行き詰まりを救う全体学~連載その1

第1章「綜學とは何か」

◆現代文明の行き詰まりを解決したい◆

◇講義内容が、どんどん広がってしまうことへの悩み◇

筆者は欲張りな人間で、いろいろ知りたくて仕方ない。何を講義するにしても、内容がどんどん広がっていく。文明論ならヨーロッパ史・中国史・日本史など世界全体に及び、東洋思想なら儒家・道家・法家・兵家など多岐に渡ることになる。要するに一つの事に腰を据え、専門を一つに絞り、じっくり掘り下げて研究するということが無いのだ。

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