其の三十一 主観・客観・表観・裏観を、縦横十字のマトリクス表で見てみる!

主観・客観・表観・裏観という、四観(四つの観)について説明しました。これら四観は、四通りの組み合わせが出来ます。

縦横十字のマトリクス表を頭に浮かべてください。縦軸の上に表観、下に裏観、横軸の右に主観、左に裏観を置きます。そうすると、中心点から見て、右上が(1)表観+主観、左上が(2)表観+客観、左下が(3)裏観+客観、右下が(4)裏観+主観となります。

そして、それぞれにタイプの別というか、性格の違いがあります。(1)の表観+主観が強く働く場合、表観によって目に見えるものを重んじ、主観によって自分の思いを積極的に前に出し、物事の実現を図ろうとします。具体的には、自分を肯定して信じつつ、実力や実績を重視するという、政治家や実業家タイプとなります。

(2)の表観+客観が強く働く場合は、表観によって物事の個々の違いを重視し、客観によってそれを分類し、物事の善悪を明確にしつつ活動していくことになります。具体的には、より良き社会を理性的・論理的につくろうとする道徳家や法律家タイプとなります。

(3)の裏観+客観が強く働く場合は、裏観によって目に見えない世界を重んじ、客観によってそれを解析し、物事の真理を究めていこうとすることになります。具体的には、この世界の真実を知性で分析していく哲学者や科学者タイプとなります。

(4)の裏観+主観が強く働く場合は、裏観によって物事の奥に潜む本質・本体を掴み、主観によってそれを己の感覚で受け取り、自分の感性に基づいて表現しようとすることになります。具体的には、罪の裏に隠れている理由を汲み取ることで「許し」を説く宗教家や、自然と人間が持つ美しさを内面から直覚し、それを感性的に現していく芸術家タイプとなります。(続く)